ケアマネジャーのやりがいとは?適性や求められる能力も紹介
「ケアマネジャーのやりがいとは?」
「ケアマネジャーの適性や求められる能力も知りたい」
このようにお悩みの現役ケアマネジャーへ役立つ記事です。
ケアマネジャーとして働いているものの、なんだかやりがいを感じられないと思う方もいるでしょう。
そこで本記事では、ケアマネジャーのやりがいについて紹介したうえで、適性や求められる能力をお伝えしていきます。記事後半では、やりがいを見失っている方への解決策も紹介します。
ぜひ、最後までお読みください。
ケアマネジャーの業務内容
ケアマネジャーの業務内容には以下のものがあります。それぞれを見ていきましょう。
ケアプランの作成
ケアマネジャーの業務において大半を占めているのがケアプランの作成です。
ケアプランには以下のような内容が記載されています。
- 利用者基本情報
- 利用者の生活に対する意向
- 支援の方向性
- 目標
- 介護サービスの具体的な内容
- 関わる事業者
- 週単位でのスケジュール
ケアプランの内容によって、利用者の生活の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。そのため、ケアマネジャーの力量がもっとも試される業務ともいえるでしょう。
給付管理業務
サービス事業者は、提供したサービスについて利用料の1~3割を利用者から支払ってもらいます。残りの分は、事業者が国民健康保険団体連合会(国保連)に請求することで支払われる仕組みです。
その際ケアマネジャーは、サービス事業者が計画にもとづいてサービスを提供しているかどうかを確認し、以下5つの書類を作成します。
- サービス利用票
- サービス利用票別表
- サービス提供票
- サービス提供票別表
- 給付管理票
これらは事業者へ費用が支払われるために必須であるため、ケアマネジャーは正確に書類を作成しなければなりません。
利用者と家族・サービス事業者間の連絡調整
ケアマネジャーは、利用者とその家族、サービス事業者の間に入り連絡調整役として働きます。
- サービス事業者の選定・相談・依頼
- サービス提供による効果判定(モニタリング)に関する情報交換
- サービス担当者会議の招集・開催
以上のやりとりによって多くの方と連携し、必要な時に過不足なく情報をやりとりする姿が求められます。
要介護認定の申請代行業務
利用者が要介護認定を申請する際、ケアマネジャーはその一連の手続きを代行します。具体的には以下の内容です。
- 要介護認定申請書の入手
- 必要事項の記入
- 書類の提出
利用者は要介護認定の申請になれていない方も少なくありません。時間と手間がかかる手続きを代行することで、要介護認定が円滑にすすむのです。
入退院・施設入所の支援
入退院や施設入所の支援もケアマネジャーの役割です。
入院時には、利用者の状況や在宅生活に対する希望などの情報を提供します。
退院前~退院にかけては、その後の生活を支援するためケアプランを作成します。
在宅で介護サービスを利用している方では、状態の悪化や家族の負担軽減などの理由から、施設入所することもあるでしょう。その際の入所に関する支援もケアマネジャーの業務に含まれます。
ケアマネジャーのやりがい
ケアマネジャーの業務内容を紹介しました。続いて、ケアマネジャーのやりがいについて見ていきましょう。
周囲に必要とされる
ケアマネジャーは利用者や家族、サービス事業者との架け橋であるため、さまざまな報告・連絡・相談がよせられます。
「困ったときはケアマネジャーに相談」とよく聞くように、多くの問い合わせがくるのではないでしょうか。
時には便利屋のような扱いを受けてしまうこともありますが、たくさんの方から必要とされることでやりがいをもって業務にあたっている方もいます。
利用者や家族の生活がよくなる
ケアマネジャーが作成するケアプランには、利用者や家族の生活がより良い方向へいく舵取りの役割があります。
自身の作ったケアプランのおかげでできることが増えたり、家族の負担が軽減できたりした時は、大きな喜びを得られやりがいを感じるでしょう。
良いプランを作成するためには、知識・経験・利用者の声を聴く姿勢などが大切です。はじめはうまくいかないことも多いと思いますが、これらをしっかりと身に付けていけば、徐々に作成できるようになっていくでしょう。
さまざまな方と連携できる
多くのサービス事業者や医師と連携するため、さまざまな知識を得たり、関わる方の考え方や価値観に触れたりして視野が広がります。
また、地域のケアマネジャー同士で連携会を開催し、情報交換する機会によって日々知識や考え方のアップデートができます。
さまざまな方と連携することで自身の成長につながり、大きなやりがいを感じられることでしょう。
試行錯誤するのが楽しい
利用者は十人十色で、生活背景も人それぞれです。
複雑な家庭環境や金銭問題、介護者の虐待など、困難事例と呼ばれる方も中にはおられます。
そのような方のケアマネジメントは考えること・悩むことが多いものの、どうすれば問題を解決できるのかを考え、生活を形作っていくそのプロセスに楽しさややりがいを感じている方も中にはいます。
ケアマネジャーのつらいところ
では、やりがいに対してケアマネジャーのつらいところも解説していきます。
業務量が多い
ケアマネジャーが抱える業務には以下のものがあります。
- 膨大な書類の作成:アセスメント・ケアプラン・モニタリング・会議・給付管理などに関する書類
- 連絡調整:利用者・家族やサービス事業者との連絡
- 外出:担当者会議・モニタリング・緊急の呼び出しなど
効率的に業務がすすむように予定をしっかりと立てていないと、自身のタスクを管理しきれず、次々と業務に追われてしまうことがあります。
そういった意味で、「ケアマネジャーはつらい、大変だ」と敬遠されることもあるでしょう。
人間関係に悩むことがある
利用者や家族との人間関係に悩むことがあります。うまく信頼関係が作れていないと、自宅に上がらせてもらえないこともあるでしょう。
また、人間関係の悩みは職場やサービス事業者に及ぶことも。
同僚のケアマネジャーと相性が合わないと毎日の出勤が苦痛になってしまいますし、サービス事業者との関係性が悪くなると、連絡調整するのに気が重く感じることもあります。
また、常に中立の立場で物事を見ていく必要があるため、利用者とサービス事業者の板挟みになりつらい思いをすることもあるでしょう。
プレッシャーがある
ケアプランは、利用者の「こうありたい生活」を表した計画書です。プランの内容次第で利用者の生活の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。
重要な書類ですから、ふと「このプランで生活は良くなるのだろうか」「別の担当者が作った方がよいのではないか」といった不安に襲われることがあります。
良いプランができた時に大きなやりがいを感じる一方で、責任もあるため、常に一定のプレッシャーを感じながらプランを作成しなければなりません。
常に勉強を必要とする
ケアマネジャーは介護保険を熟知していなければ、適切なケアマネジメントや連携ができません。日々変わる法令や制度に対応できるよう常に勉強が必要です。
基礎資格によって得意分野が異なり、苦手分野の克服にも力を入れねばなりません。
多忙な業務の合間に勉強し、最新の情報を手に入れなければならず、終わりのない勉強の日々につらいと感じることもあるでしょう。
ケアマネジャーに求められる適性や能力
ケアマネジャーの適性や求められる能力を紹介します。
コミュニケーション力
さまざまな方と接するため、相手や状況に応じたコミュニケーション力が求められます。
コミュニケーション力が高いケアマネジャーには、プラン作成において以下のようなメリットがあるでしょう。
- 事業者と情報共有が円滑にできる
- 利用者や家族が本音で話してくれる
- 主治医が真摯に対応してくれる
よい関係を築く基本は、コミュニケーションにあります。
コミュニケーションが苦手と感じる方も、経験を積んでいく中で声掛けや質問の仕方には徐々に慣れていきますので、少しずつ身に付けていきたいところです。
想像力
想像力もコミュニケーション力と同様に大切な能力です。
というのも、ご自身で生活に対する意向を伝えられない利用者も中にはおられるからです。
意識障害があったり失語症があったりして言語でのコミュニケーションが難しい方では、はっきりとご自身の意向を表せない場合があります。
その際利用者の生活歴や家族との関係性などから、どのような生活を送りたいか、課題は何かを想像する力が求められます。
あくまで利用者の言葉を代弁する立場であるため、意向を完全に表現することは困難かもしれません。しかし、利用者の気持ちに寄り添い、良いプランを作るためには想像力を働かせることが大切です。
スケジュールやタスクを管理する能力
先述したように、ケアマネジャーは膨大な業務に追われることがあります。
効率的に進めるためには、スケジュールやタスクを管理する能力が求められるでしょう。
たとえば手帳などの紙媒体とPCやスマートフォンのようなICT機器を使い分けたり、紙媒体でもマンスリーとデイリーのタスクを書き分けたりするなど、工夫が必要です。
予定外のタスクが舞い込んできた時に対応できるよう、余裕をもったスケジュールを心がけることも大切でしょう。
向上心や探究心
社会資源を有効に活用するためには、介護保険制度のみならず、さまざまな分野の知識を広く持っていることが大切です。
向上心や探究心をもって前向きに勉強できる方は、ケアマネジャーとして高い適性があるといえるでしょう。
また、利用者にとっても勉強熱心なケアマネジャーの方が安心してプラン作成を任せられるはずです。
やりがいをもつために必要なこと
やりがいをもってケアマネジャーの仕事をしている方がいる一方で、つらい気持ちの方が強く、毎日が苦痛の方もいるかもしれません。
ここでは、ケアマネジャーとしてやりがいをもつために必要なことを紹介します。
プライベートの何気ない出来事から関係作りをする
介護保険の法令や関連知識の勉強は大切ですが、ご自身がプライベートで経験する何気ない出来事を大切にしてください。広い視野をもてるようになり、成長させてくれるからです。
「得意なこと、好きなこと」を通して発見したことを利用者と共有してみましょう。小さなことでもかまいません。
ケアマネジメントでは、ささいな会話を通し相手の気持ちや価値観を知ることが重要です。
ふだんの経験から会話のきっかけを見つけ、うまく人間関係が作れてくると良い支援ができるようになり、関係性もよくなります。
そういった好循環ができると、ケアマネジャーの仕事で成功体験が増え、楽しさややりがいを見出せるようになるでしょう。
他職種と兼務する
専従のケアマネジャーとして働いていると、ケアマネジメントのことばかり考えてしまいます。介護や看護職の兼務ができれば、ケアマネジャーの業務から少し離れて気持ちを切り替えられるでしょう。
また、現場の視点も含めたプラン作成ができれば、専従ケアマネジャーのプランと差別化できる可能性もあります。
職場を変える
ケアマネジャーの仕事が嫌いではなくとも、職場内の人間関係が悪いとやりがいを見失ってしまうかもしれません。
特に、管理者のもっている固定観念によってケアマネジメントの方向性や考え方が決められてしまうと、思ったようなプランを作れず苦労するでしょう。
そういう場合は、職場を変えるのもひとつです。
信頼できる上司や同僚と働ける職場であれば、やりがいをもって業務に取り組めるでしょう。
ケアマネジャーは自身を成長させるやりがいのある仕事
本記事ではケアマネジャーのやりがいについて解説しました。
「膨大な業務をこなす能力」「常に勉強を欠かさない前向きな姿勢」などが求められますが、利用者の生活をよりよいものにし、自分自身を成長させてくれるやりがいのある仕事です。
やりがいを見出せなくなっている時は、プライベートを楽しんだり働き方を変えたりすることもひとつでしょう。
この記事が、ケアマネジャーのキャリアについて悩んでいる方のお役に立てば幸いです。