介護事業における教育体制構築の重要性
介護事業ではリハビリ職の人材不足が問題となっています。
2025年問題や高齢化などの問題がある中で、なかなか人材確保が難しいのが現状です。人材確保が難しい要因は教育制度にあるといわれており、教育体制の構築が介護事業の経営者にとっても重要な課題となっています。
今回は介護事業における教育体制の構築の重要性を解説します。
介護事業におけるリハビリ職の人材不足
2005年の介護保険制度改革で、介護予防の概念が導入されました。これは患者さんの要介護状態の発生や悪化をなるべく防ぎ、軽減を目指すことを掲げたものです。
この概念に基づいて、要介護状態の患者さんはリハビリ職のサポートのもとでリハビリを行い、自立して生活ができるようにします。患者さんにとってリハビリ職のサポートは必要不可欠です。
しかしリハビリ職の大半は病院で勤務しているのが現状です。
理学療法士を例に挙げると、全体の半分以上が病院勤務であり、介護施設などの病院以外の施設では理学療法士の割合は15%にも届いていません。
介護業界において、最近ではリハビリ職の人数も増えつつありますが、実際には需要に対してまだまだ足りていないのが問題になっています。
介護事業でリハビリ職が不足している要因には教育体制がある
介護事業におけるリハビリ職は、介護予防の観点から見ると重要ですが、需要に対してなかなか人員が増えていないのが現状です。
リハビリ職が不足している要因のひとつに、教育体制が完備されていないという点があります。職場の慢性的な人員不足を例に挙げると、教育側が忙しく、新人職員の教育に十分な時間や人員を当てられないということが仮説として挙げられます。そのことによって、新人職員は教育が不十分のまま、すぐに実務に入り、業務についていけないケースが考えられるでしょう。これだとせっかく入った職員が、仕事についていけず、仕事に慣れる前に離職してしまう恐れがあります。
また、介護業界も日々変わっていくため、既存の職員も定期的に新しい内容を学ぶための勉強会が必要です。定期的な勉強会をやらないと、時代の変化による利用者さんのニーズに応えることができなくなり、結果的に職員の離職に繋がることも考えられます。
このような状況が起こる可能性のある事業所は、今後教育体制を整えていく必要があるでしょう。
経営者が教育体制を整備することによってリハビリ職が働きやすい介護事業を
経営者によって教育体制を整備することは、リハビリ職が長期的に働くための重要な課題となっています。入社時だけでなく、その後も定期的な教育を行うことで、職員はスキルアップし続けることができます。そして仕事に対してのモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
リハビリ職が働きやすい介護事業を作っていくことは、今後の事業の繁栄のためには欠かせません。
経営者は、ぜひ教育体制を見直すことをおすすめします。
教育体制を整えて充実した介護事業に
介護事業でのリハビリ職の人材不足は深刻になっています。利用者さんにさらに効果的なリハビリのサポートをするには、リハビリ職は欠かせない存在です。
人材確保に対する改善策は、いかに教育体制を整えるかが大切になってきます。
教育体制の構築をすることによって、職員それぞれのスキルやモチベーションが上がり、充実した事業所になるでしょう。
新人職員は安心して仕事を覚えることができ、既存職員はスキルが身に付きます。
経営者は、事業所の教育体制を整えて、より充実した職場環境を目指しましょう。