グループホームの経営は儲かるのか?経営のリアルを解説
近年ではグループホームの需要が高まっており、経営を検討する人も増えています。
グループホームを経営するためには、土地や建築などの初期費用や、経営にかかる金額などのシミュレーションを事前に行うことが大切です。
どのように考えるべきか、何に気を付けるべきかを解説していきます。
グループホームの経営は儲かるのか?
グループホームとは?
グループホームとは、主に認知症の高齢者や障害のある方などを対象に、介護や養護のサポートがついた共同住宅のことをいいます。
地域に密着した福祉サービス施設の1つであり、住居の利用者数は、1つの住居につき原則として10名以下と設定されています。
利用者さんにとっては、なじみのある地域での共同生活のため、社会や精神的な面からの孤立を遠ざける利点があります。そのため、生活への不安を軽減し、身体や精神が安定した状態での生活が可能です。
グループホームの市場規模は年々拡大している
グループホームの需要は近年増加傾向にあります。
厚生労働省のデータによると、グループホームの利用者数は、令和元年11月時点の入所施設の利用者数を上回り、令和3年2月時点では約14万人に増加したとのことです。
グループホームは、平成18年度に障害者自立支援法に該当するサービスとして位置づけられ、入所施設や精神科病院等から地域への移行するための施設となっています。
障害者の地域生活を支えるための大事な場所になっています。
グループホームの経営にかかる費用と収益は?
グループホームの経営にはどれだけ費用がかかるのでしょうか。
費用、補助金、収益の順に見ていきます。
グループホームの経営にかかる費用は?
グループホームの経営にかかる費用は、土地の購入費、建築費、そして人件費の大きく3つに分けられます。
・土地の購入費
グループホームの施設を新規で建てる場合は、土地が必要です。都心や田舎、交通の便など、アクセスのしやすさ等によって土地の価格は異なります。
・建築費
施設を新規で建てる際は、建築費がかかります。既存の建物をリフォームする場合は新規の建築よりもコストを抑えることができるでしょう。
・人件費
施設を運営するにはスタッフが必要です。福祉業者と契約することで専門的な福祉サービスを提供することが可能になります。
グループホームの経営における補助金
グループホーム経営には、国からの補助金を受け取れる可能性があります。
補助金を受け取れる条件等は自治体ごとに異なるため、役所で確認をしましょう。
グループホームの経営での収益は?
グループホームの経営での収益は、収入から経費を差し引くことで出せます。
入居者がいる場合、補助金を受け取れれば、経営が赤字になることはほとんどないでしょう。
グループホームの経営を成功させるためには
グループホームの経営を成功させるためにはどうしたらよいでしょうか。
初期投資を減らす
グループホームの初期投資を減らすことは経営する上で重要になります。施設は新築だと1棟につき1億円ほどかかると言われています。
ここで内装や設備などをある程度シンプルにすることで、コストダウンすることが可能です。
補助金・助成金を利用する
補助金と助成金を申請することで費用を削減できます。
グループホームのような福祉施設を建てるための費用には補助金が、また、運営するための費用には助成金が給付されます。ただし自治体によって制度にバラつきがあるため、確認が必要です。
事業歴の長い福祉事業者を見つける
グループホームは、経営者と福祉事業者が契約することで事業を行うことができます。
事業歴の長い福祉事業者は、福祉事業として効率の良い経営方法を身に着けており、安定した経営基盤があります。経営には安定という言葉があないため、なるべく経験の豊富な福祉事業者と組むことが必要です。
スタッフの教育に力を入れる
グループホームの運営には経営の手腕も必要ですが、スタッフの教育が必要不可欠です。
利用者さんに対して高いレベルのサービスを行えるようにスタッフを教育することで、評価の高いグループホームに成長していくでしょう。
また、利用者さんだけでなく、利用者さんの家族にも満足してもらえることでいい口コミも広がります。教育に力を入れることでスタッフのスキルも上がり、離職率も減るのではないでしょうか。
スタッフの育成と補助金の活用が経営向上につながる
グループホームは、今後も需要が見込めるでしょう。経営を続ける最低条件として、利用者さんの入居数はある程度必要です。また、補助金を活用しつつ、初期費用や固定費をなるべく削減することで収益の増加が見込めます。
さらに、スタッフの育成に力を入れ、働きやすい環境を整えることで、スタッフのスキルが上がり、施設でのサービスの向上が期待できるでしょう。
経営では収益を上げていくことが必要です。初期投資や固定費をうまく削減し、手堅く収益を上げていきましょう。