訪問入浴の看護師はきついって本当？看護師の働き方を解説

訪問入浴で働く看護師の仕事はきついと思っている看護師もおり、仕事にしようかどうか迷う方も多くいらっしゃいます。

訪問入浴は本当にきつい仕事なのでしょうか。

今回は、訪問入浴が本当にきつい仕事なのかを看護師の働き方から詳しく分析し、ご紹介します。

看護師でも働ける！訪問入浴とはどんなサービス？

訪問入浴とは、介護保険で受けられるサービスのひとつで、介護認定を受けた利用者の自宅を訪問し、入浴サービスを提供します。

主に寝たきりや四肢の不自由などによって自宅の浴槽で入浴ができない方に提供されるサービスです。

専用浴槽を積んだボイラー付きの入浴車で訪問をし、お部屋の中に組み立て式の専用浴槽を設置して入浴サービスを提供します。

訪問入浴は看護師以外の職種も入るの？

訪問入浴は介護士2人と看護師1人の3人体制でサービスを提供します。

主に、介護士2人が入浴サービスを提供します。

多くの場合、この3人で1日5件程度を回りますが、多いと8件ほどになる場合もあるようです。

訪問入浴における看護師の仕事内容

訪問入浴で働く看護師がなぜきついのかを知るために、まずは訪問入浴における看護師の仕事内容を知っておきましょう。

ここからは、訪問入浴における看護師の仕事内容を詳しく解説します。

体調をチェックして入浴の可否を判断

バイタルサイン測定や全身状態の確認をして入浴ができるかどうかをチェックします。

入浴できるタイミングが限られているため、利用者やその家族はなんとしても「入浴したい」という強い思いを持っている場合が多いです。

しかし、入浴したことで急変など生命のリスクも伴うので、看護師が正しく判断をする必要があります。

入浴前後の医療処置

入浴の前後に軽い医療処置をするのも看護師の役割です。

とはいえ、訪問入浴サービスを受ける利用者のほとんどは訪問看護を利用しているため、痰の吸引やカテーテルの交換など医療処置は訪問看護師が行います。

ですので、訪問入浴の看護師は、入浴前に点滴の刺入部や褥瘡などの傷を保護したり、入浴後に軟膏を塗ったりするのみとなります。

入浴後の体調チェック

入浴後に体調に変化が内科のチェックも必要です。

もしも、体調が悪くなっているという場合には訪問看護師へ連絡して対応してもらうので、訪問入浴の看護師が対応をするという場面は少ないです。

また、入浴前後の皮膚チェックなどでもしも気になる点があれば、ノートなどに書き残して訪問看護師へと引き継ぎます。

介護士のフォロー

訪問入浴では、利用者を入浴させるのは主に介護士の仕事です。

そのため、看護師は介護士のフォローに回ることが多いです。

例えば簡易入浴層の作成を手伝ったり、利用者様の衣類の準備やベッドメイキングやあと片付けを手伝ったりします。

場合によっては看護師も入浴介助を手伝うことがあります。

看護師が訪問入浴で働くのはきついといわれる理由

看護師が訪問入浴で働くのはきついといわれる理由はなぜなのでしょうか。

その理由は次の2つです。

体力的にきつい

毎日、5件ほどの利用者の自宅を訪問して入浴サービスをするため、体力的にきついという方が多いです。

直接入浴介助をしていなくても、着替えや軽い医療処置、準備や片付けなど身体を動かす時間が多いので、体力的にきつく感じるのかもしれません。

特に、夏場は気温が高い中で入浴サービスを提供するため、暑さが体力を奪い、きついと感じる方もいるようです。

体を動かすことが多く、病院や施設のように環境も整っていないことから腰痛を発症してしまう方もいます。

精神的にきつい

訪問入浴サービスでは、訪問するグループの中に看護師は1人しか配属されません。

入浴の可否や体調の変化など1人の判断に任せられるので精神的にきついと感じてしまうのです。

また、訪問入浴サービスは固定された3人のメンバーで訪問先を回ります。

このメンバーと気が合わないという場合にも精神的にきついと感じてしまいます。

訪問入浴で働くのが向いている看護師

訪問入浴はきついこともありますが、きついと感じずに楽しく生き生きと働ける看護師もいます。

訪問入浴で働くのが向いている看護師は次の方です。

体力に自信がある看護師

訪問入浴は体力勝負ともいえる仕事なので、体力に自信がある看護師はひじょうに向いているといえます。

直接介助に入らなかったとしても準備や片付け、利用者へのケアや移動など1日中体を動かす仕事です。

机上で作業するよりも体を動かしていたいという方にはおすすめです。

コミュニケーションをとるのが好きな看護師

訪問入浴では利用者だけでなく、利用者の家族、訪問入浴を回るメンバーなどさまざまな人とコミュニケーションをとります。

そのため、コミュニケーションをとるのが好きな看護師は訪問看護に向いているといえます。

利用者やその家族とはコミュニケーションをこれまで病院などでとってきたので慣れているという方でも、介護士などほかの職種と密接にかかわる人は少ないかもしれません。

どんな職種でも、どんな年代でもコミュニケーションが取れる方は働きやすいかもしれません。

観察力があり異変に気付ける看護師

訪問入浴では、看護師は自分しかいないぶん、観察力が非常に重要です。

前回訪問したときと今回の訪問で利用者の状態が何か違うと感じる、入浴前後の状態が何かおかしいと感じるなどささいな変化に気付ければ、異常の早期発見につなげられるといえます。

医療機関での経験が少なかったとしても観察力があれば、訪問入浴に必要なスキルは十分に持ち合わせているといえるので、訪問入浴に向いているでしょう。

訪問入浴の看護師にはいろいろな働き方がある！

訪問入浴は正社員だけでなくパートや派遣、アルバイトなどさまざまな働き方があります。

もしも、正社員で毎日働くのは体力的にも精神的にもきついと感じるのであれば、バートやバイトで短時間だけ働くという方法もあります。

特に、夏場など体力的にきついと感じるときにはお給料を増額してくれるところも多いので、きつさに見合った分のお給料が手に入るでしょう。

訪問入浴で働きたいと考える看護師は、自分に合った働き方を検討してみてはいかがでしょうか。