ケアマネジャーの選び方8選!相性が合わない時の対策も紹介
「ケアマネジャーの選び方を知りたい」
「相性が合わないケアマネジャーだったらどうしよう」
介護サービスが必要になったものの、サービス調整に関わるケアマネジャーの選び方がわからず、悩んでいる方もいると思います。
ケアマネジャーの作るケアプランひとつで生活の良し悪しが決まるといっても過言ではないため、慎重に選びたいですよね。
そこで本記事では、ケアマネジャーの選び方を8つの方法から解説します。
記事後半では、ケアマネジャーとの相性が合わない場合の対策についても紹介します。ぜひ最後までお読みください。
ケアマネジャーとは
ケアマネジャーとは、介護保険のサービスを利用する方の「ケアプラン」を作り、利用者・家族と各サービス事業者間の連絡調整をする役割をもった資格者のことをいいます。
在宅で介護サービスを受けたい方は、要介護1~5の方であれば居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当になり、要支援1~2の方は地域包括支援センターの職員が担当になります。
ケアマネジャーは、医療・介護・福祉の分野で5年以上の実務経験を有する者のみが取得できる資格であり、業務内容には以下のものがあります。
- 介護サービスの提案
- 要介護認定の申請代行
- ケアプランの作成
- 利用者・家族とサービス事業者間の連絡調整
- 入退院や施設入所時の支援
介護サービスを利用する方法には担当のケアマネジャーにケアプランを作ってもらうか、ご自身や家族で計画を立てる「セルフプラン」の2通りがありますが、大多数の方がケアマネジャーに依頼しています。
ケアマネジャーは地域の介護サービスを熟知しているため、よりご自身にあった適切なサービスを利用したい場合は、担当者を選んでおくのが無難でしょう。
ケアマネジャーの選び方
それではケアマネジャーの選び方について解説します。
まずは、居住地の市区町村にある介護保険課や地域包括支援センターへ行きましょう。
「居宅介護支援事業所のリスト」や「介護サービス事業者ガイドブック(ハートページ)」という無料の冊子がもらえますので、目を通してください。
リストには主に以下の内容が記載されています。
- 事業所の名称
- 所在地
- 電話番号
- 受付時間
- 在籍ケアマネジャーの人数
- 休業日
- 併設サービス
これらを参考にどの事業所のケアマネジャーに依頼するか決めていきますが、記載の情報以外にも選ぶポイントがありますので、以下で見ていきましょう。
所在地から選ぶ
所在地から決める場合は、できるだけ同じ市区町村や自宅に近い事業所を選ぶと良いでしょう。
理由は以下のとおりです。
- 緊急時にケアマネジャーがすぐ駆けつけられる
- 利用者の自宅周辺にあるサービスに詳しい
介護サービスを利用していると、問い合わせや相談事をケアマネジャーにすることが多くあります。
たとえば、体調を崩してどうすればいいのかわからない時に「とりあえずケアマネジャーに相談してみる」というのはよくあることです。
その際状況確認のためケアマネジャーが訪問することがありますので、速やかな情報共有のためにも、近隣の事業所を選んだ方が都合は良いのです。
また、利用者の自宅に近いケアマネジャーは近隣のサービスにも詳しいため、よりニーズに沿ったサービスを紹介できるメリットがあります。
よって、所在地から選ぶ場合はなるべく近隣の事業所にしておきましょう。
併設サービスから選ぶ
訪問看護やデイサービスなどの事業所が併設されている居宅介護支援事業所を「併設型」といいます。
併設されているサービスから居宅介護支援事業所を選ぶのであれば、ある程度ニーズが明確な人が良いでしょう。
たとえば糖尿病や高血圧などの内科疾患があり、定期的に病状の確認をしてもらいたい方なら、訪問看護ステーション併設の居宅介護支援事業所が適しています。このような事業所には、医師や看護師との連携が得意なケアマネジャーが在籍していることが多いからです。
併設サービスから選んでおくと、利用者・サービス事業所・ケアマネジャー間での連絡調整もしやすくなるため、おすすめです。
休業日や受付時間から選ぶ
休業日や受付時間から選んでおくと、問い合わせや相談がスムーズにできます。
祝日や土日も営業しているかどうかによって連絡のとりやすさも変わってきますので、ご家庭の都合にあった休業日や受付時間で営業している居宅介護支援事業所を選んでおきましょう。
ケアマネジャーの人数から選ぶ
多くのケアマネジャーが在籍している事業所では、ケアマネジャー同士で情報交換したり相談しあったりして、スキルアップに力を入れやすい環境になっています。
そのため、ケアプランの質も高くなりやすい傾向です。
よって、人数が多く在籍している事業所を選んでおくと良いでしょう。
ケアマネジャーの基礎資格から選ぶ
ケアマネジャーは、保有している基礎資格がそれぞれ異なり「介護福祉士×ケアマネジャー」や「看護師×ケアマネジャー」などの組み合わせが存在します。
基礎資格により得意分野が異なるため、介護や福祉サービスを重点的に使いたい方は、介護福祉士の資格を保有するケアマネジャーが良いでしょう。
一方で、医療依存度が高い方は看護師の資格を保有するケアマネジャーが適しています。
知人の紹介から選ぶ
介護サービス事業所で働いている知人からの紹介であれば、信頼もあるため不安なく任せられます。
また、知人のケアマネジャーに依頼したければ、居宅介護支援事業所にその旨を伝えても良いでしょう。
主治医に教えてもらう
「リストなどを見ても決められない」という方は主治医に相談するのもひとつです。
主治医は病状を把握しているため、医学的管理の観点から医療連携の得意なケアマネジャーが在籍している事業所を知っていることもあります。
困った時は、主治医に相談してみてください。
地域包括支援センターに任せる
「何もわからないので全部お任せしたい」という方は、地域包括支援センターにその旨を伝えてみましょう。生活の困りごとやニーズを聞き取り、適切な事業所を紹介してくれます。
ただし、地域包括支援センターが紹介してくれるのは事業所のみです。担当のケアマネジャー個人を選定してくれるわけではないので、注意しましょう。
そのため、相性の良し悪しや求める人物像かどうかなどは、付き合ってみないとわかりません。
良いケアマネジャーとは?
事業所選びまで済んだものの、ケアマネジャー個人との相性が合うかどうかは付き合ってみないとわかりません。そこで良いケアマネジャーの特徴を以下に記載しますので、参考にしてください。
- 介護サービスの知識が豊富
- 保険外サービスについての知識が豊富
- 経験が豊富
- 対応が早い
- 説明が丁寧でわかりやすい
- 話を親身になって聞いてくれる
- 相談しやすい
- 基礎資格(介護系・医療系など)の専門性を強みとしている
- 本人と家族双方の意見を取り入れてくれる
- 金額の説明をしっかりしてくれる
悪いケアマネジャーとは?
一方で、悪いケアマネジャーも中にはいるのが現状です。
以下の特徴をもっているケアマネジャーは避けておくのが無難でしょう。
- 利用者のニーズを把握できない
- 融通がきかない
- 想像力がない
- 相手の気持ちがわからない
- 要望を聞いてくれない
- 上から目線で丁寧さがない
- プラン変更に応じてくれない
ケアマネジャーと相性が合わないときにできる対策
実際に付き合ってみないとケアマネジャーとの相性はわからないものです。
以下では、ケアマネジャーとの相性が合わない場合にできる対策を紹介します。
苦情を言う
「ケアマネジャーの対応に問題がある」「思ったようなプランにならない」など、意見がある場合は居宅介護支援事業所へ苦情を言いましょう。
事業所の管理者が苦情担当窓口になっていることが多いため、管理者宛てに電話連絡します。
それにより、担当ケアマネジャーへ指導が入り、対応を改めてくれる可能性があります。
他の相談窓口には地域包括支援センターや市区町村の介護保険課がありますので、もし改まらない場合は、これらの機関にも連絡しておきましょう。
ケアマネジャーを変えてもらう
別のケアマネジャーに担当してもらいたいのであれば、居宅介護支援事業所へその旨を伝えましょう。事業所内にケアマネジャーが複数在籍していれば、担当を変更してくれる可能性があります。
相性が合わないまま付き合っていても、本音で話したり要望を伝えたりすることが難しく、あまりいいことはありません。遠慮せず担当を変えてもらいましょう。
事業所を変えてもらう
ケアマネジャーを変更しても、その事業所との付き合いは続きます。相性の合わない人と顔を合わせる可能性がゼロではないため、居宅介護支援事業所そのものを変更するのもひとつです。
変更するには、別の居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへ相談しましょう。
ケアマネジャーとの付き合い方
担当のケアマネジャーと良好な関係ができれば、ケアプランもニーズに沿ったより良いものとなるでしょう。
以下では、ケアマネジャーとの付き合い方を解説します。
納得いくまで説明を求める
より良い生活を送るためには、納得できる良いケアプランを作ってもらう必要があります。
そのため、わからないことや気になることは、しっかりと説明してもらいましょう。
たとえば以下のような内容について聞いてみてはいかがでしょうか。
- サービス内容についての疑問
- 金額について気になること
- 目標設定の理由
とくに介護保険サービスを初めて利用する方は、わからないことばかりです。
疑問点や悩みは遠慮なく聞いて説明を求めていきましょう。
定期的に連絡をとる
定期的に連絡をとっておいた方が、ケアマネジャーも利用者の状態を気にかけることが増えるだけでなく、信頼関係も作りやすくなります。
また、ふだんから要望や意見をこまめに伝えておくと、ケアプランの更新時に内容へ反映されやすくなります。
すべてが利用者の言ったとおりのプランになってしまっては良くありませんが、多くの要望はより良いプランを作るための材料になるでしょう。
ぜひ、定期的に連絡をとるようにしてください。
要介護認定を受けたらケアマネジャーを選ぼう
本記事ではケアマネジャーの選び方について解説しました。
要介護認定を受けたら、介護サービスを利用するためにケアマネジャーを選ぶ必要があります。
市区町村の介護保険課や地域包括支援センターでもらえるリストを参考に、居宅介護支援事業所を選んでください。ご自身で決められない場合は知り合いに紹介してもらったり、主治医に相談したりすると良いでしょう。
ケアマネジャーは実際に付き合ってみないと良し悪しがわからないこともあります。担当は変更できますので、あまり深く悩まず、少し気軽な気持ちで選んでみましょう。
この記事がケアマネジャーの選び方に困っている方のお役に立てば幸いです。