介護事業における経営とは?リーダーシップとの違いも解説
介護事業を経営する医療従事者は、経営によって売上を上げることが事業の存続においても非常に重要になってきます。
今回は介護事業における経営について解説します。
介護事業における経営とマネジメント、リーダーシップの違い
経営において、マネジメントとリーダーシップは、言葉として混合されやすいです。
これらの違いを解説します。
マネジメント
マネジメントは、目標の達成に向けて、過去の事例や今起きている事象を分析・管理し、チームの集団行動を促進させる能力です。
チームにおいて、やみくもに動いていては、いつまでも目標は達成できません。
チームでの行動では、メンバーがきちんと同じ方向を向いて活動できているか、現状を認識し、スムーズに進行するためのチームのスケジュール管理をする人が必要不可欠です。
また、目標への進度具合によって、過去の事象を振り返り、必要に応じて戦略を立て直したりするのもマネジメントの大事な要素です。
このように、目標達成へ向けてきちんと現在地を把握し、必要に応じてチームの進路を修正していくのがマネジメントの力です。
リーダーシップ
マネジメントの父と呼ばれるピーター・F・ドラッカーがいます。彼は、『リーダーシップは達成すべき目標や優先順位の決定、組織内の基準を定める決断力を仕事として発揮でき、ときには妥協しながら維持する』と定義付けています。
集団活動をしていると途中でメンバーの意見が分かれて、結果的に目的や行動があいまいになってしまったことはないでしょうか。リーダーはそれを防ぐべく、自らも集団活動に参加しながら、企業や組織などが定める目標達成を目指して、チームのメンバーを導いていきます。
また、どんなに素晴らしいビジョンを掲げても、実現する前にチームがバラバラになってしまっては意味がありません。リーダーは、目標を無事に達成させるためにチームとの連携を重視し、時に課題の対処も行いながら、最後までチームを維持していきます。
このように、目標を決定し、その目標まで到達するためにチームを維持しながら導いていくのがリーダーシップの力です。
介護事業を経営する医療従事者には売上に対する意識を強く持つ必要がある
医療現場で働いてきた医療職が事業経営を行う場合、どうしても売上を上げる意識が低くなります。しかし、売上を上げていくことは事業を存続させるためにも重要であり、強く意識を持つ必要があります。
また、売上を意識することによって、社会や利用者さんへの福祉事業としての存在意義が薄くならないように注意が必要です。
介護事業を経営する上で、売り上げと福祉事業のバランスが大事になります。
経営者として目標にコミットしていくことが重要
経営者は、事業として打ち立てている目標にコミットしていくことが重要です。
そのためには自分の中で掲げる目標を明確にして、役割を認識し、目標までの道筋を考えなくてはなりません。
目標を達成するには、今の時点で何が足りていないのか、どうしたらそこを乗り越えられるのか、今後起こりうる問題は何かなどを具体的に洗い出すことが必要になります。
経営者は、自分のこだわりよりも、事業の成長を考えて目標に向かい集中して取り組むことで、生産性が高まり、事業の成長・拡大につながっていきます。
介護分野への貢献と売り上げどちらも意識した経営を目指す
介護事業を経営する上で、福祉事業としての介護分野への意識がどうしても強くなりがちです。しかし、事業は職員や利用者さんがいて成り立つものであり、利用者さんから利用料をいただき、職員に給与を支払うことで運営できています。施設内の設備もお金をかけることで快適な環境を提供できます。
経営者は、これらのどこが滞っても、サービスに対し不満が出てしまうことを認識すべきです。経営をする以上、支出と収入のバランスもある程度は気にしながら充実した介護サービスを行えるよう、試行錯誤して検討しましょう。