
介護業界における離職率の実情を解説

介護業界は他職種と比較すると離職率が高いことが問題とされています。
介護業界での離職率は事業経営を行う中でも解決しなければならない問題といえるでしょう。
今回は介護業界における離職率の実情を解説します。
介護業界における離職率の実態
令和元年10月1日から令和2年9月30日の1年間の介護業界の離職率は、平成17年以降最低の14.9%となっています。これは介護労働安定センター発表の令和2年度の「介護労働実態調査結果について」の資料によるものです。
このデータから、介護業界で問題とされている離職率が改善されており、この先も離職率が下がっていくことが予測されます。
違う調査ではありますが、厚生労働省の令和元年雇用動向調査結果から、全産業の平均離職率は15.6%であるため、やや下回る結果となっています。
現場では、事業所全体の人員不足を感じているという声が6割を超え続けているという状況です。
離職には人員不足からくる労働過多が影響しているかもしれません。
また訪問介護員においては、4人に1人は65歳以上であるというデータもあります。
職員の中に若手が少ないのも、離職率に影響していると考えられ、介護業界の大きな問題とも言えるでしょう。
介護業界において離職率が高い理由
介護業界は離職率が高いと言われています。
他の産業に比べて労働条件が良くないため、採用が困難であるという意見が90%近くもあるのが現状です。
つまり、労働条件を理由に離職している職員が多いのではないかと推測できます。
労働者に取った就職理由のアンケート結果では、資格を活かせる、やりたい職業であるという前向きな理由が多くあります。
その一方で、将来的に安心できる、子育て支援が充実しているなどの項目は低くなっているのが現状です。
また、仕事内容の割に賃金が安いなど、賃金面を問題とする労働者も多くいるようです。
以前と比べて離職率は下がっていることから、改善はされてきていると考えられるものの、まだまだ労働条件は改善の余地があります。
労働条件をどう改善していくかが今後の課題になっていくでしょう。
介護業界の離職率の高さは解決していかなければならない課題
介護業界の人員確保の難しさには競合の多さもあげられています。
労働条件の良いところで働きたいと思うのは、人として当然の心理です。
競合に勝つためには、必然的に労働条件の改善が必要になります。
では実際に労働条件や労働環境を改善するためには、どうしたらよいでしょうか。
一番効果的なのは、実際に働いている職員の声を積極的に聞くことです。
直接職員の声を聞くことで、確実に改善していくことができますし、職員との距離も近づき、コミュニケーションが円滑になるというメリットもあります。
介護業界の離職率の高さは、経営者が向き合って解決しなければならない重要な課題となっています。
普段から職員とコミュニケーションを取ることにより、労働や職場環境の問題点が見えてくるでしょう。
介護業界での確実な労働条件改善で離職率を下げる
介護業界の離職率は、年々低下しているものの、まだまだ向き合わないといけない問題があります。
アンケート結果でやりがいを感じる労働者が多いのに対し、労働量に賃金が見合っていないと感じる意見も多くあります。
賃金が見合っていないのも離職する原因の一つであると考えられるでしょう。
また、正社員の待遇は年々改善されているのに対し、非正規雇用の職員の労働環境はまだまだ改善の余地があると考えられます。
個々の労働環境を改善することで、離職率はさらに低下することが期待されるでしょう。
さらに、訪問介護の労働者の年齢割合が高いことも今後の問題になることが想定されます。改善策としては、若い年齢層を取り込むことが必要になってきます。
外国人労働者をさらに採用することや、一人当たりの仕事量の調整、そして賃金アップや賞与の積極な導入なども人員の確保や維持に効果的でしょう。
一つ一つ確実に現状の問題と向き合い、改善していくことで離職率はさらに減少していくことが期待できます。