理学療法士のデイサービスにおける仕事内容とは？

理学療法士を必要とする場所が増えつつあり、最近では病院だけでなく、デイサービスで働く理学療法士が増えてきました。

この記事では、以下のことを解説していきます。

・理学療法士はデイサービスでどんな仕事をするの？

・理学療法士がデイサービスで働くメリットとは？

病院以外での働き方を検討している理学療法士の方はぜひ参考にしてみてください。

理学療法士のデイサービスにおける仕事内容とは？

デイサービスは通所介護といい、要介護認定を受けた利用者さんが機能訓練やレクリエーションによる他者との交流をする日帰りのリハビリ施設のことをいいます。

理学療法士のデイサービスにおける仕事内容は以下の通りです。

1. 送迎（車の昇降や歩行介助を含む）
2. 集団体操
3. 個別機能訓練
4. レクリエーション
5. 経過記録や個別計画書などの作成

1.送迎の付き添い（車の昇降や歩行介助を含む）

デイサービスでは、利用者さんの自宅から施設への送迎をします。

施設によって違いますが、理学療法士も送迎に付き添う場合があります。

送迎の付き添いは、利用者さんについて知る大事な機会です。利用者さんの居住環境の把握や、利用者さんが車の乗り降りをする際の動作に問題がないかの確認、そして利用者さんの家族とのコミュニュケーションを取ることは、後のリハビリの計画にも関係してくるため、非常に大事な仕事の一つです。

2.集団体操

理学療法士はデイサービスにおける利用者さんが行う集団体操などのメニュー考案をします。

集団体操は、一人では億劫な体操を集団でやることで、楽しく体を動かせるというメリットがあります。

集団体操のメニューは、椅子から立ち上がる動作や、床にあるものを拾う動作など、日常生活での動作を組み込んだものが理想的です。また、集団体操は、利用者さんが無理なく効果的に行うことができる程度に調整することが大切です。

利用者さんが無理なく、楽しくできるような体操のメニューを考えることが必要になります。

3.個別機能訓練

デイサービスでは理学療法士による個別機能訓練を行います。

利用者さんにとってのゴールは、日常生活の中で自立して行動できるようになることです。

理学療法士は、利用者さんの身体機能の回復を促し、運動機能の維持や向上を目指すだけではなく、利用者さんが自宅で生活することを意識したリハビリを行います。

利用者さんが自立して行動できるようになることで、家族の介護の負担を減らすことができます。個別機能訓練は、理学療法士が最も必要とされる仕事です。

4.レクリエーション

レクリエーションは、利用者さんが楽しみながら体を動かしたり、パズルや折り紙などの細かい作業で頭の体操をすることで身体機能の向上や、認知症の予防や症状の進行を食い止めるなどの効果があります。

また、季節の行事に合わせて工作や手遊びを交えながらイベントを楽しみます。

レクリエーションの効果はそれだけではありません。レクリエーションは集団で行うため、利用者さん同士でのコミュニケーションをとることができます。

さらに、レクリエーションがきっかけで利用者さん同士が仲良くなったり楽しく会話ができるきっかけにもなるため、利用者さんの精神の安定や生活の質の向上が期待できます。

理学療法士をはじめとする職員は、利用者さんが楽しめるような企画と準備、そしてレクリエーション中の利用者さんが積極的に活動できるように声掛け等のサポートが必要です。

5.経過記録や個別計画書などの作成

利用者さんの送迎後からは経過記録や個別計画書などの作成をします。

経過記録には、後で利用者さんに何かが起きたときなどに見返す大事な資料になるため、利用者さんの様子を細かく記録することが必要です。

また、利用者さんの現状の改善点を把握し、次のリハビリや集団活動などに活かすこともできます。

経過記録は、他職種の人にとっても貴重な情報となります。経過記録や個別計画書をきちんと作成することで、仕事がより円滑になり、多職種との連携も取りやすくなるでしょう。

理学療法士がデイサービスで働くメリット

理学療法士がデイサービスで働くメリットの一つに、勤務時間があります。デイサービスは基本的に平日の日勤であり、土日出勤や夜勤がありません。特に子育て中の方は働きやすい環境ではないでしょうか。

また、デイサービスでは、利用者さんの生活に寄り添いながらリハビリを提供していきます。また、症状が緩和したら退院する病院とは違って、デイサービスでは利用者さんの自宅での生活の維持が目標です。

利用者さんに長く寄り添いながら、それぞれの状態に合わせたリハビリを提供したいという人におすすめです。

理学療法士はデイサービスでも必要とされている

高齢化が進む中で、デイサービスを利用する高齢者が増えつつあります。デイサービスは高齢者が家にこもり、寝たきりになるのを防ぐのにも効果的です。

さらに、地域包括ケアシステムが推進される中でますますデイサービスは需要が高まりつつあります。そんなデイサービスにおいて、リハビリを専門とする理学療法士が必要とされています。

デイサービスに理学療法士がいることで、利用者さんにより専門的なリハビリを提供できるようになるでしょう。個別機能訓練はもちろんですが、集団行動やレクリエーションも利用者さんにとって非常に重要な運動であり、コミュニケーションの場にもなる時間です。

病院とは仕事内容が大きく異なり、デイサービスの理学療法士は専門分野以外にも臨機応変に幅広く対応しないといけませんが、病院とはまた違ったやりがいや充実感を得られるのではないでしょうか。ぜひ理学療法士の方はデイサービスで働くことも検討してみましょう。