デイサービスの稼働率を上げる方法とは?改善策も解説

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

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デイサービスを黒字経営していくためにも重要なのが、デイサービスの稼働率です。

デイサービスの経営が低迷する要因としては稼働率の低迷があげられます。稼働率が下がり、経営に悩んでいるという経営者もいるのではないでしょうか。

今回はデイサービスの稼働率を上げる方法や、稼働率を上げるための改善策も解説します。

目次

デイサービスの稼働率を上げるための基礎知識|稼働率とは

まずは、デイサービスの経営に大きく関わる「稼働率」について解説していきます。

デイサービスの稼働率とは「利用可能な人数に対して何%が利用されているか」という割合のことです。

1ヶ月の合計の利用者数を、利用定員数と1ヶ月の営業日数をかけたもので割った数値が稼働率を指します。

例えば50名を定員としているデイサービスで1ヶ月の営業日数が23日として、利用者が600人だった場合は、600÷(50×23)=0.52となるため、この場合の稼働率は52%となります。

この稼働率はデイサービスの収益に大きく影響する数値です。稼働率が低い場合はなぜ低いのか、営業に何か問題があるのか、競合が近くに多いのか、地域のニーズはどうなっているのかなど、改善策を考えていく必要があります。改善策については詳しく後述で解説します。

稼働率が重要視される理由

稼働率が重要視される背景として、デイサービス自体が増加、すなわち競合他社が増えている現状が挙げられます。

厚生労働省によると、デイサービスは2020年10月時点で24,087事業所と居宅介護サービスの中では訪問介護に次いで2番目の多さです。2012年から2015年にかけて大きく事業所数が増加し、その後は総数自体は横ばいなものの、それでも競合となるデイサービスは多いと言えるでしょう。

稼働率以外に経営で注目するべきなのは人件費と加算

デイサービスの経営において稼働率以外に注目すべきなのは、人件費と加算です。

2022年4月時点の資料から人件費率の割合(全体の収益に対する人件費の割合)は60〜65%となっており、2014年の約55%と比べると大きく増加しているのがわかります。

また利益率は2019年〜2022年の決算までで、10%程度の利益率のデイサービスが多いですが、0%以下の赤字のデイサービスも30%ほどみられており、経営に苦しむデイサービスも多いことがわかります。

そして加算においては、2018年の介護報酬改定版において、新たに小規模デイサービスのための「生活機能向上連携加算」や、利用者の要介護度や自立度を維持または改善した場合に評価される「ADL維持等加算」などが新設されました。

これらの状況から、人件費と加算の割合を調整していくことで、収益のバランスをとっていく必要があるとわかります。

デイサービスの稼働率を上げるための改善策

ではデイサービスの稼働率を上げるためには具体的にどうすれば良いのでしょうか。

主に下記が改善策として挙げられます。

  • 利用者の通所回数を増やす
  • 新規の利用者を増やす
  • 利用者が欠席しないような対策をする

それぞれ解説していきます。

利用者の通所回数を増やす

稼働率を上げるには、すでに通っている利用者の通所頻度をあげてもらうことが大切です。例えば週1回の利用の方の利用頻度を2、3回にあげてもらうためには、週2、3回通いたくなるようなイベントやレクリエーションを考えてみると良いでしょう。

他の利用者との交流を大切にしている方であれば、興味のわくイベントやレクリエーションが増えると、通いたいという気持ちも増すのではないでしょうか。

また家族への理解を得ることも大切です。生活の自立を促すためにも、週1回の機能訓練だけではなく、週2回に増やしたり、社交性を大切にするためにもレクリエーション参加などを考えて利用頻度を増やしたりしてみませんか、と家族に伺うのも良いでしょう。

新規の利用者を増やす

新規の利用者の利用を増やすのは稼働率アップに繋がります。既存の利用者の通所回数を増やすのには限界があるため、新規の利用者を増やすのが最も長期的な経営改善に向いていると言えるでしょう。

新規の利用者を増やすには、プロモーションをもっと打ち出していく必要があります。

デイサービスを利用する方の家族には、インターネットでデイサービスを探している方もいるため、ホームページやSNSを活用するのも一つの方法です。また、電車広告や看板など目に付く箇所へ広告を打ち出すのも良いでしょう。

利用者が欠席しないような対策をする

利用者の欠席率も稼働率の低下に繋がります。そのため利用者が欠席しないような対策をする必要があるでしょう。

長期的に通所している利用者の中には、デイサービスのサービス内容に飽きてしまったという方もいます。デイサービスでは同じサービス内容を繰り返すのではなく、季節に合わせたイベントや、新たなレクリエーションなど新鮮さを感じるイベントを取り入れるのが重要です。

新規の利用者だけでなく、長期的に通所している利用者を大切にできるように、常に提供しているサービス内容は工夫が必要といえるでしょう。

デイサービスの稼働率を確認し改善策を考えてみよう

ここまでデイサービスの稼働率と収益に関わる稼働率以外の課題、稼働率の改善策を解説しました。

デイサービスは新規利用者の獲得や既存の利用者の利用頻度の改善も重要ですが、働くスタッフの給与や待遇などの環境も大切です。

デイサービスの運営に関わる多くの要因を考えながら、稼働率の改善策を考えてみると良いでしょう。


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