言語聴覚士がデイサービスで働く中での役割とメリット
超高齢社会の中で高まる言語療法士の需要は、医療現場だけではなく、介護業界でも広がっています。
そんな中、デイサービスで働く言語聴覚士も増えています。
今回は言語聴覚士がデイサービスで働く中での役割や業務、言語聴覚士がデイサービスで働くメリットを解説していきます。
デイサービスで働く言語聴覚士の役割
日本言語聴覚士協会の調査(2022年4月)では、医療機関で仕事をしている会員が最も多いものの、その次に多いのが介護施設です。
言語聴覚士は、利用者の話す機能(コミュニケーション能力)の向上・維持のための訓練や、管理栄養士などと連携しながら嚥下機能の評価や維持のための嚥下訓練を行います。
言語聴覚士のデイサービスでの実際の業務
デイサービスを行う施設での言語聴覚士は、利用者の在宅復帰を目標とし、「言語障害」、「聴覚障害」そして特に重要になってくる「摂食・嚥下障害」等に関するリハビリを担当します。デイサービスは、病院よりも広義のリハビリになるため、体操など病院とはまた違った仕事に携わることができます。
言語コミュニケーションや嚥下への評価・訓練
言語聴覚士は、利用者さんが日常生活において円滑に言語コミュニケーションを行えるように専門的な視点で評価を行い、ポイントを伝えます。また、高齢者や認知症の方の食事中の嚥下訓練も行います。
集団での嚥下体操指導
言語聴覚士は、利用者さんの嚥下の評価を数か月に1度程度のペースで行い、それに基づいて嚥下体操の指導を行います。個々の評価に合わせた指導が必要になります。
食事介助や食事の評価
言語聴覚士は、利用者さんが食事の際に問題なく嚥下できているか注意しながら介助し、食事の評価をします。
口腔ケア指導・介助
デイサービスには高齢者や認知症の方が多いため、口腔ケアの指導もします。これにより嚥下機能の低下を予防することができ、虫歯など病気の早期発見ができます。
言語聴覚士がデイサービスで働くメリット
高齢化社会において、地域で生活する高齢者が増えるとともにデイサービスを利用する人も増えていくことが考えられます。そのため、言語聴覚士もデイサービスなどの介護の分野で今まで以上に必要とされてくるでしょう。
現在は、デイサービスにおいて常駐している言語聴覚士はまだ少ないですが、嚥下指導や評価のために月2回程度定期的に呼んでいるところもあります。言語聴覚士は、高齢者の嚥下機能維持のために重要な役割を果たせるというやりがいを感じることができるでしょう。
今後は、超高齢社会の中で言語聴覚士を常駐するデイサービスも増えていくと考えられます。デイサービスは病院とは違い、利用者の来所・退所時間が固定されているため、病院勤務に比べると夜勤がなく、残業も少ないところがメリットに挙げられます。このことにより、今までよりもワークライフバランスも取りやすくなり、長く仕事を続けることができるようになるでしょう。
言語聴覚士はデイサービスで重要な存在になります
高齢化が進むにつれてデイサービスや介護の分野の需要が高まってきました。
言語聴覚士の仕事として言語や聴覚のリハビリサポートはもちろんのことですが、デイサービスの利用者さんは、自立した日常生活を送るために自らで食事を摂ることが必要になってくるため、さらに摂食・嚥下のリハビリのサポートが必要になります。言語聴覚士は、活動の幅が広がり、今まで以上にやりがいを感じられるのではないでしょうか。
また、デイサービスは主に日中の業務なこともあり、夜勤がないため病院よりも時間的に働きやすいです。
これから転職を考えている言語聴覚士の方には、今後はぜひ病院以外にも幅広く選択肢を広げ、転職を検討していただくことをおすすめします。