【介護事業経営者向け】訪問看護ステーションでのスタッフ教育の方法を解説
訪問看護ステーションでは非常勤や時短勤務などのスタッフも多く、スタッフと顔を合わせられる機会や時間が限られています。
さらにスタッフの年齢層に幅があり、スタッフ教育に難しさを感じている経営者も多いのではないでしょうか。
今回は介護事業経営者へ向けて、訪問看護ステーションでのスタッフ教育について解説していきます。
訪問看護ステーションにおけるスタッフ教育の課題
訪問看護ステーションにおけるスタッフ教育の課題の一つが「人員不足」です。
事業所も小規模で少人数スタッフであるため、日々の業務が忙しく教育に時間をかけられない事業所が多くあります。
訪問看護とは一人で訪問してケアし、一人で判断する能力が必要になります。病院である程度経験を積んだスタッフでなければ業務的にも精神的にも負担が大きい職場です。
そのため新卒での就職は難しく、中途採用で従事するスタッフが多くなります。中途採用の場合、どこで働いていたかによってそれぞれの経験や知識が大きく異なるのが特徴です。
自身が培ってきた経験とスキルで仕事をこなすことができるため、新しい知識を得なくても仕事ができてしまいます。
中途採用の場合、スタッフの統一した学びの場が乏しくなってしまうことも課題の一つです。
訪問看護ステーションにおけるスタッフ教育の目的
訪問看護ステーションの管理者の多くが、「看護の質の向上」や「標準看護力の向上」「最低限の看護力の向上」を教育の目的としています。
特に在宅での需要が高い教育は「ターミナルケア」です。「ターミナルケア」と聞くと「何か特別なことをしなければならない」と感じるスタッフもいるかもしれません。
しかし「ターミナルケア」とは日常生活の延長であり特別なことではありません。
「ターミナルケア」とは終末医療とも呼ばれており、「病気」「老衰」などで人生の残りがわずかとなった方に対して行います。治療や延命を目的とせず、体の痛みを軽減し穏やかな状態で過ごせるようケアすることが目的です。
「ターミナルケア」はやりがいを感じられる一方で、精神的な葛藤を生じる場合もあります。
訪問看護の分野で「ターミナルケア」と向き合って働き続けるためには、自分自身の心の健康を守ることもとても大切になってきます。
そのため、ターミナルケアに関わったことの無いスタッフには「ターミナルケア」に関して十分に理解してもらう必要があります。
訪問看護ステーションでのスタッフ教育の重要性
新人スタッフには自社はどんな特徴があるのか理解し、現在の課題に向き合ってもらうことが重要です。そして何をしたら良いかを考えてチャレンジできるようになってもらうのが教育における目標と言えます。
スタッフのやりがいを高めるためにも、これからの時代において在宅の需要が高まっていくことも伝えていく必要があります。
訪問看護ステーションでは「看護師」「理学療法士」「作業療法士」などさまざまな職種が活躍します。経営側としては働く職種の多様性を理解することが重要です。
理解し教育していくことでスタッフのモチベーションアップにも繋がり、訪問看護ステーションの提供するサービスの質の向上も期待できるでしょう。
訪問看護ステーションの発展へ向けて
新人スタッフだけでなく、今後は管理者や中堅スタッフにもOJTを利用した教育システムが必要になっていきます。実際に新任管理者等へのOJTを行う仕組みも設けられています。
事業所のさらなる発展へと繋げるためには、管理者になってからではなくできるだけ早い段階から「教育者研修」や「管理者研修」に参加することが重要です。