デイサービスでの人材確保が難しい!現状の課題と対策について解説

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

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「デイサービスで人材が不足して困っている」
「デイサービスの人材確保戦略を教えてほしい」

このような悩みを抱えている経営者も多いのではないでしょうか。人材不足問題を抱えている介護業界にとって、人材確保戦略は重要な課題です。

今回は、介護業界の人材市場について情報をまとめつつ、デイサービスで実践できる人材確保戦略について解説します。この記事を読むことで、デイサービスでの人材不足問題を解消できる可能性もあるでしょう。ぜひ、最後までお読みください。

目次

介護業界の人材市場について

現在、デイサービスだけでなく、介護業界全体で人材が不足している状況です。介護労働安定センターの調査によると、約6割の介護施設で人員不足を感じており、約6割の介護職員は3年未満で退職する傾向があります。介護業界の人材市場について解説します。

約6割の施設で人員不足

多くの介護施設で人員不足を感じています。介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」によると、63%の介護事業所で人材の不足感を感じていることがわかりました。同調査によると離職率は低下しつつあるようですが、事業所で働く介護人材はまだ足りていない状況といえるでしょう。

参考:介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」

約6割の介護職員は3年未満で退職する

介護労働安定センターの「令和2年度 介護労働実態調査」によると「離職した人の38.3%が1年未満で退職、25.9%が1年以上3年未満で退職していた」というデータも出されています。調査結果から、離職した介護職員のうち64.2%が3年未満で退職していることがわかります。早期に退職する職員が多いことも介護業界が人材不足に悩む要因のひとつといえるでしょう。

参考:介護労働安定センター「令和2年度 介護労働実態調査」

1人の介護職を4つの施設が取り合う

現在、介護職の求人市場は需要過多の状況です。厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年4月分)」によると、介護サービスの職業の有効求人倍率は4.74倍でした。わかりやすく例えると、1人の介護職員を4〜5施設が取り合っている状況です。介護職員にとっては転職しやすく、介護施設にとっては新規採用が難しい環境といえるでしょう。

参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年4月分)」

デイサービスで人材確保しにくい原因

デイサービスで人材不足になる原因について、人間関係の悪化、賃金が安い、事業所が多いという問題が挙げられます。デイサービスで人材が不足する原因について解説します。

人間関係の悪化

介護労働安定センターが実施した「介護労働実態調査」によると、前職を辞めた理由として最も多かった回答が「職場の人間関係」でした。このデータから、人間関係の問題で退職する介護職員が多い、ということがわかります。デイサービスでも人間関係の悪化によって人材不足になる場合も多いでしょう。

参考:介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」

賃金が安い

デイサービスは夜間帯の勤務形態がないため、夜勤手当などが支給されることはありません。しかし、その他の介護施設では夜間勤務がある施設も多く、家賃手当が支給される事業所と比較すると賃金が安くなる傾向があるでしょう。賃金を上げるためにデイサービス以外の施設へ転職する介護職員もいます。

事業所が多い

厚生労働省の「令和3年 介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、デイサービス(通所介護)の数は24,428施設で、居宅介護支援事業所、訪問介護に次いで3番目に多い介護施設です。同じ形態の事業所が多いことで、デイサービスで働きたい職員を多くの事業所が取り合っている可能性も高いでしょう。

参考:厚生労働省「令和3年 介護サービス施設・事業所調査の概況」

デイサービスで人材確保を成功させる3つの方法

デイサービスでの人材確保戦略は、離職防止採用力強化に分けられます。人材を確保するためには、職員が辞めづらく(離職防止)新しい職員が来やすい(採用力強化)職場を作らなければいけません。具体的には、賃金を上げる、業務内容を見直す、外国人を雇用するという3つの方法が挙げられます。各戦略について解説します。

賃金を上げる

少しでも賃金を上げることで、デイサービスの人材を確保しやすくなるでしょう。賃金の改善は、離職防止戦略と採用戦略の両面で良い効果が期待できます。しかし、賃金を上げるためには、デイサービスの収益を上げなければいけません。

デイサービス職員の賃金を上げる方法として、処遇改善加算を算定するとよいでしょう。処遇改善加算と特定処遇改善加算を算定すれば、最大約20%まで職員の賃金改善に使える収入が増えます。算定要件を満たせば、どんなデイサービスでも算定できるので、職員の賃金を改善したい場合は処遇改善加算と特定処遇改善加算の算定を検討するとよいでしょう。

業務内容を見直す

デイサービス職員の離職防止対策として、労働環境の見直しが必要です。特に職員の業務内容について見直しましょう。

業務内容が曖昧な状況だと、職員が不安な気持ちを抱えたまま働かなければいけません。不安を抱えたまま働くと、事故やトラブルに発展することもあります。トラブルをきっかけに離職する職員が増える可能性もあるでしょう。

職員1人ひとりの業務内容を明確にして職員が働きやすい職場を作ることで、デイサービス職員の離職防止効果が期待できます。

外国籍労働者を雇用する

将来的に、日本の労働者人口は減少することが予測されています。採用力を強化する方法は数多くありますが、労働人口が減少している日本では条件のよい大企業に人材を取られてしまうことも多いでしょう。

労働者人口の現象は、1施設でどうにかできる問題ではありません。日本の労働者人口減少への対策として、外国籍労働者を雇用する方法があります。

介護労働安定センターの「令和3年度 介護労働実態調査」によると、外国籍労働者を受け入れている介護事業所は6.2%とかなり少ない状況であることがわかります。まだ、前例が少ない状況ではありますが、将来的に外国籍労働者が必要になる可能性は高いでしょう。

労働人口が少ない日本人をめぐって採用力の強力な大企業と勝負をするよりも、路線を変更して外国籍労働者を採用するのもひとつの手段です。

参考:介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」

まとめ

今回は、介護業界の人材市場に関する情報をまとめつつ、デイサービスでの人材確保を成功させる方法について解説しました。現状、介護業界全体で人材が不足している状況であり、デイサービスで人材確保に向けた対策を立てる重要性は高いでしょう。

デイサービスで人材を確保する方法として、賃金を上げる、業務内容を見直す、外国籍労働者を雇用するという3つの対策を紹介しました。自社の人材確保戦略を考える際にお役立てください。

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この記事を書いた人

野田晃司のアバター 野田晃司 作業療法士/ライター

2010年に作業療法士資格を取得し、2年間の病院勤務後、通所介護施設を運営する企業に入社。2つのデイサービス立ち上げを経験後、施設管理者として8年勤務。その間、高齢者デイサービス、放課後等デイサービスなどを展開し、約50名の従業員が勤務する会社の役員としてマネジメントにも関わる。
現在は、フリーのWebライターとして活動中。長年の経験と知識を活かし、多数のメディアで記事を執筆する。

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