訪問看護ステーションが赤字になる5つの原因を徹底解説

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

介コネフェスの詳細はこちら

訪問看護ステーションは、在宅で看護を必要とする人々に対して重要なサービスを提供しています。しかし、訪問看護ステーションが赤字になることは珍しくありません。

本記事では、その原因として考えられる5つの要素について詳しく解説します。

目次

訪問看護ステーションが赤字になる原因

訪問看護ステーションが赤字になる主な原因は以下の5つです。

  • 訪問看護師が定着しない
  • 訪問看護の利用者が増えない
  • 家賃や自動車代にお金をかけすぎている
  • 競合が多い
  • 業務効率が悪い(訪問件数が少ないなど)

一つずつ解説していきます。


訪問看護師が定着しない

訪問看護ステーションが赤字になる原因の一つは、訪問看護師の定着率の低さです。

訪問看護師は高度な専門知識とスキルを持ち、患者の自宅を訪問して看護を提供する重要な役割を担っています。しかし、訪問看護師の離職率が高い場合、ステーションは人材の確保と訓練に多くのリソースを費やさなければなりません。


訪問看護師の定着を促すためには、魅力的な労働条件や働きやすい環境の整備が必要です。給与の改善や勤務時間の柔軟性、さらにはキャリアパスの明確化など、訪問看護師が仕事に満足感を持てるような取り組みが重要です。また、研修や教育制度の充実も訪問看護師のスキル向上と定着につながるでしょう。


訪問看護師の定着には、リーダーシップの重要性も大きいです。ステーションのマネージャーや上司は、訪問看護師の支援と励ましを行うことで、彼らがステーションに長く留まる意欲を高めることができます。また、チーム内のコミュニケーションを円滑にし、意見交換や情報共有が行われるようにすることも重要です。

訪問看護の利用者が増えない

訪問看護ステーションが赤字になる要因の1つは、利用者数が増えないことです。

在宅で看護が必要な人々の数が増えることは、ステーションの収益性に直結します。しかし、訪問看護の利用には一定のハードルが存在し、その認知度やアクセスのしやすさが利用者数に影響を及ぼします。

訪問看護の利用を増やすためには、地域の医療機関やケアマネジャーとの連携が重要です。まずは、ケアマネジャーや医療機関への訪問看護のメリットやサービス内容を周知することが必要です。また、医療機関との連携強化により、訪問看護が適切なケースで適用されるような体制を整えることも重要です。


利用者のニーズに合わせた柔軟なサービス提供も、利用者数の増加につながります。例えば、訪問看護の頻度や時間帯を利用者に合わせて調整することで、利用者の要望に応えることができます。また、利用者の生活状況や家族のサポート状況を考慮したケアも重要です。これにより、利用者の満足度が向上し、口コミなどによる広がりが生まれるでしょう。

家賃や自動車代にお金をかけすぎている

訪問看護ステーションの経営が苦しい理由として、家賃や自動車代などの固定費に過度な負担をかけている場合があります。これらの費用はステーションの運営に不可欠ですが、無駄な出費や過大なコストは赤字を招く可能性があります。


適切な予算管理やコスト削減策の導入が必要です。まずは、事務所の規模や立地を見直すことが考えられます。場所や条件の良い物件を選定し、家賃を削減することで経費の節約につながります。また、自動車に関連する費用についても見直しを行うべきです。燃費の良い車両の導入やメンテナンスの効率化など、コスト削減策を検討しましょう。


さらに、ステーション内の経費管理を徹底することも重要です。日常の経費や資材の調達においては、コストパフォーマンスの高い選択を行うことが必要です。例えば、医療器具や消耗品のメーカーとの協力関係を築き、割引価格や特典を受けることができる場合もあります。また、細かい出費やムダな経費に目を配り、無駄を省くことも重要です。

競合が多い

訪問看護ステーションが赤字になる原因として、競合の存在が挙げられます。特に都市部では、複数の訪問看護ステーションが同じ地域で顧客を競い合っています。競合他社との差別化が困難な場合、利用者の取り込みが難しくなり、結果として赤字になることがあります。


競合からの差別化を図るためには、独自の特徴や付加価値を提供することが重要です。まずは、ステーションの強みや専門性を明確にし、他社との差別化ポイントを見つけましょう。例えば、特定の疾患や高齢者ケアに特化した専門スキルを持つ看護師を配置することで、その分野での信頼性と専門性をアピールすることができます。

また、利用者のニーズに合わせたカスタマイズされたケアプランの提供も効果的です。利用者が求めるサービスやケアの内容に柔軟に対応し、個別のニーズに合わせたケアを提供することで、利用者の満足度が高まります。さらに、他社との比較で優れた料金プランや保険適用の利点を明確に伝えることも大切です。


業務効率が悪い(訪問件数が少ないなど)

訪問看護ステーションの業務効率の低さが赤字に繋がることがあります。訪問看護は時間の制約があり、効率的な訪問スケジュールを組むことが求められます。しかし、訪問看護師の訪問件数が少ない場合や移動時間が長い場合、効率性が低下し、経費が増加してしまいます。

業務効率を改善するためには、以下の点に注力する必要があります。

第一に、訪問スケジュールの最適化です。訪問看護師の移動時間を最小限に抑えるために、患者の地理的な位置やケア内容を考慮してスケジュールを立てる必要があります。また、緊急のケースや緊急入院が発生した場合にも、柔軟にスケジュールを調整することが重要です。


次に、情報共有とデジタル化です。訪問看護ステーションでは、利用者の情報や診療記録を正確かつ迅速に共有する必要があります。電子カルテやアプリケーションの導入により、情報の共有とアクセスが容易になります。これによって、看護師は現場で必要な情報にアクセスし、効率的に診療活動を行うことができます。


さらに、チームの連携と役割分担も重要です。訪問看護ステーションは複数の看護師やサポートスタッフから成るチームで運営されます。各メンバーの役割と責任を明確にし、効果的な連携を図ることで業務効率が向上します。コミュニケーション手段やミーティングの定期的な実施も、チームの連携を促進するために重要な要素です。

まとめ

訪問看護ステーションが赤字になる原因には、訪問看護師の定着率の低さ、利用者数の増加の困難さ、過度な固定費の負担、競合の存在、業務効率の低さが挙げられます。これらの要素は相互に関連しており、経営の持続性に大きな影響を与えます。

訪問看護ステーションが赤字を回避し、持続可能な運営を実現するためには、以下の対策が必要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

杉浦 良介のアバター 杉浦 良介 理学療法士/ライター

医療従事者✖️Webライティング&Webサイト制作を得意とする。ブログ「訪問リハビリ・訪問看護情報サイト」運営/YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」運営/著書には「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」がある。趣味は介護報酬改定の解説。

目次