訪問看護のオンコール対応がきつい6つの理由とその対策

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

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訪問看護のオンコール対応は、看護師にとって大きな負荷を伴う厳しい業務です。

この記事では、訪問看護のオンコール対応がきつい理由と、それに対する効果的な対策について解説していきます。

訪問看護のオンコール対応に携わる方々や興味を持っている人は参考にしていただければ嬉しいです。

目次

訪問看護のオンコール対応がきつい6つの理由とその対策

訪問看護のオンコール対応がきつい主な理由は以下の6つです。

  • 常に待機が必要
  • 予測不可能な勤務時間
  • ストレスとプレッシャー
  • 仕事と家庭の調整の難しさ
  • 長時間の連続勤務
  • オンコール手当の安さ

それぞれについて解説していきます。

常に待機が必要

訪問看護のオンコール対応において、看護師はいつでも利用者さんからの連絡に対応できるように待機している必要があります。

待機が必要な理由の一つは、利用者さんの状態が急変する可能性があるためです。訪問看護では、利用者さんの自宅等を訪問し、医療的なケアを提供します。しかし、利用者さんの状態は予測困難であり、急変することがあります。例えば、突然の体調悪化や緊急の医療処置が必要になる場合などです。そのため、看護師は常に待機していることで、迅速な対応ができるようにしています。

待機が必要なもう一つの理由は、利用者さんからの連絡が予測できないためです。利用者さんの状態や要望はさまざまであり、予想外の事態に対応する必要があります。例えば、急な痛みや薬の誤飲、器具の故障など、看護師の対応が必要な問題に直面することがあります。そのため、待機していることで、利用者さんからの連絡に迅速に対応できるようにしています。

常に待機が必要な訪問看護のオンコール対応ですが、待機時間の過ごし方や効果的な対策が求められます。待機時間中に学習や休息を取ることで、看護師の能力向上やストレスの軽減が期待できます。また、待機時間の予測が可能な場合は、他の業務やプライベートな時間を確保することも重要です。

予測不可能な勤務時間

訪問看護のオンコール対応では、勤務時間が予測不可能であることが課題となります。

まず、利用者さんの状態によって訪問看護の必要性が変化するため、勤務時間が変動することがあります。例えば、一日のうちで利用者さんの状態が悪化しやすい時間帯がある場合、その時間帯にオンコール対応をする必要が生じます。しかし、利用者さんの状態は予測が難しく、事前に勤務時間を確定することができません。

また、予期せぬ出来事によっても勤務時間が変動することがあります。例えば、他の看護師が急病や怪我で休むことになった場合、代わりの看護師が必要になります。このような場合、急な勤務時間の変更が求められるため、予測が困難です。

予測不可能な勤務時間に対する対策として、柔軟なスケジューリングが重要です。訪問看護の組織は、予測不可能な状況に対応するための予備のスタッフを配置することで、勤務時間の変動に柔軟に対応することができます。また、看護師個人も自己管理能力を高め、予測不可能な勤務時間にも臨機応変に対応することが求められます。

ストレスとプレッシャー

訪問看護のオンコール対応は、ストレスやプレッシャーが伴うことがあります。

まず、オンコール対応では、いつでも利用者さんからの連絡に対応しなければならないというプレッシャーがあります。利用者さんの状態が急変し、迅速な対応が求められることがあります。このような状況下で、看護師は冷静さを保ちながら適切な判断を下さなければなりません。そのため、高い責任感やプレッシャーが生じることがあります。

また、予測不可能な勤務時間や待機時間がストレスの原因となることもあります。勤務時間が変動するため、予定の立て方やプライベートな時間の確保が難しくなることがあります。また、常に待機していることでリラックスやリフレッシュの時間を十分に取ることも難しい場合があります。

ストレスやプレッシャーに対処するためには、適切なストレス管理が必要です。看護師個人が自身のストレス反応や対処法を理解し、心身の健康を維持することが重要です。例えば、適度な運動やリラクゼーション法を取り入れることでストレスを軽減することができます。また、職場環境の改善やチームのサポート体制の充実もストレス管理に役立ちます。

仕事と家庭の調整の難しさ

訪問看護のオンコール対応において、仕事と家庭の調整が難しいという課題があります。

まず、予測不可能な勤務時間や待機時間があるため、家庭の予定との調整が難しくなります。例えば、家族との食事やイベント、子供の送迎など、日常生活のスケジュールを立てる際に予測不可能な勤務時間を考慮する必要があります。これにより、家族との時間を確保することが難しくなる場合があります。

また、急な勤務時間の変更や連日の長時間勤務によって、疲労やストレスが蓄積し、家庭生活にも影響が及ぶことがあります。看護師自身の健康や家族との関係を維持するためには、適切な調整が必要です。

仕事と家庭の調整の難しさに対する対策として、コミュニケーションと計画性が重要です。看護師と家族の間で互いのスケジュールや状況を共有し、理解を深めることが大切です。また、余裕を持ったスケジュール管理や休息の確保、サポートを受けられるネットワークの活用も効果的です。

長時間の連続勤務

訪問看護のオンコール対応では、長時間の連続勤務が求められることがあります。

まず、利用者さんの状態や要望によって、看護師が連続して訪問する必要がある場合があります。例えば、状態が安定しない利用者さんや緊急の医療処置が必要な利用者さんに対して、連日訪問することが求められる場合があります。このような場合、看護師は長時間の連続勤務を余儀なくされることがあります。

また、他の看護師の休暇や急な欠員補充のために、長時間勤務が必要になることもあります。訪問看護の組織は、利用者さんのケアを継続するために連続勤務を必要とする場合があります。

長時間の連続勤務に対する対策として、適切な休息と労働時間の制限が重要です。訪問看護の組織は、看護師の健康と安全を考慮し、労働時間の適切な管理を行うべきです。また、看護師個人も自己管理能力を高め、休息やリフレッシュの時間を確保することが重要です。

オンコール手当の安さ

訪問看護のオンコール対応に対する手当が不十分であると感じる看護師も多いです。

オンコール手当が安い理由の一つは、訪問看護の経営状況や予算の制約です。訪問看護は、地域の医療ニーズに応えるために公的な支援や予算を受けることがあります。そのため、限られた予算内で多くの利用者さんにサービスを提供する必要があり、手当の配分が難しい状況にあります。

また、訪問看護のオンコール対応は、専門的なスキルと責任を要するものですが、その価値が適切に評価されていない場合もあります。看護師個人の専門性や労働の特殊性を考慮せずに手当が設定されることがあるため、不満が生じることがあります。

オンコール手当の安さに対する対策として、看護師の働き方改革や手当の見直しが求められます。訪問看護の組織は、看護師の負担と責任に見合った手当の提供を検討するべきです。また、看護師個人も給与交渉や労働条件の改善を求めることで、手当の改善に向けた働きかけを行うことが重要です。

訪問看護におけるオンコールのまとめ

訪問看護のオンコール対応は、さまざまな理由からきつさを伴うものです。常に待機が必要であったり、予測不可能な勤務時間があったり、ストレスやプレッシャーがあったり、仕事と家庭の調整が難しかったり、長時間の連続勤務が求められたり、オンコール手当が安いと感じる場合もあります。

これらの課題に対処するためには、柔軟なスケジューリングやストレス管理、適切な休息と労働時間の制限、そして手当の見直しや働き方改革が必要です。訪問看護の組織や看護師個人が協力し、より働きやすい環境を整えることで、訪問看護のオンコール対応のきつさを軽減することができます。

訪問看護は利用者さんにとって重要な医療サービスであり、看護師の専門性と貢献は大きいものです。その価値が適切に評価され、看護師が安心して働ける環境が整備されることを願っています。

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この記事を書いた人

杉浦 良介のアバター 杉浦 良介 理学療法士/ライター

医療従事者✖️Webライティング&Webサイト制作を得意とする。ブログ「訪問リハビリ・訪問看護情報サイト」運営/YouTube「訪問リハ&訪問看護&介護保険【制度マニア】」運営/著書には「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」がある。趣味は介護報酬改定の解説。

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