ショートステイのサービス内容とは?概要を解説します!

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

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ショートステイのサービスってどんな内容?

ショートステイの利用にあたり何か注意点はある?

このような悩みをお持ちの方もおられるでしょう。

本記事では、ショートステイで提供されるサービス内容の概要を解説し、利用にあたっての注意点やよくある質問も紹介します。

ショートステイで受けられるサービス内容を知り、ご自身の目的に応じた施設選びの参考にしてください。

目次

ショートステイのサービス内容とは

ショートステイでは日常生活の介護だけでなく、レクリエーション、心身機能の維持・向上を目的とした機能訓練やリハビリテーション、体調管理などのサービス内容があります。

以下ではそれぞれについて解説していきます。

日常生活の介護

日常生活の介護には食事や排泄など、身の回りのケアがあります。

ではそれぞれのサービス内容について詳しく見ていきましょう。

食事介助

食事は単に栄養の補給だけが目的ではありません。

おいしく味わったり、他者と食事の場を共有して食事という行為自体を楽しんだりすることも大切です

ご自身で食べられない方への介助はもちろん、食事する環境は周囲の利用者さんと交流しやすいよう配慮もされます。

また、食事の形態にも工夫がされています。

咀嚼(かむこと)や嚥下(のみこむこと)機能が低下している方が食べやすいように、細かく刻んだり、ミキサーにかけたりといった工夫です。水分にとろみをつけてむせないための配慮もあります。

スプーンや食器なども使いやすい形になっており、介助を受けずともご自身で食べられるように工夫されています。

整容介助

自宅にこもりがちになると、ご自身の身だしなみにあまり気をつかわなくなってしまう方もおられます。

整容は、身体清潔の保持や気分転換などの効果があり、社会性を保つ意味でも重要です

ショートステイでは洗顔、整髪、爪切り、口腔ケア、耳かき、ひげ剃りなどの整容介助を受けられます。

更衣介助

更衣とは着替えのことです。

更衣介助は、ご自身で着替えられない方を介助し、場所や場面にあった適切な服装で過ごしていただく目的があります。

日中は活動するための普段着、夜間は寝巻といったように、時間帯に合わせて衣服を変えることで1日のリズムが整います

利用者さんの手足の機能に応じて、袖に通したりボタンを閉めたりといった、できる動作を促すことを大切にして介助します。

入浴介助

入浴介助では、頭や背中など手の届かない部分を洗ったり、浴槽への出入りをしたりする際の介助を受けられます。

また、ショートステイの施設には浴室や浴槽にも工夫がなされ、家庭と同じタイプの浴槽から寝たまま入れる特殊な浴槽もあります。

利用者さんの体の状態に応じて最適な浴槽を選択してくれるので、負担も少なく入浴できるでしょう。

自宅でお風呂に入っている方であれば、家庭の浴室環境と同じ動きがとれる環境で入浴していただくと、機能や能力の維持に効果的です。

排泄介助

排泄介助を受けると羞恥心を伴う方は少なくありません。

だからこそ、気持ちよく排泄できるように利用者さんの気持ちに配慮して排泄介助を行います。

できるだけ失敗しないよう、定期的なトイレへの誘導や、排泄の能力に応じたパンツやパットの提案も行います。

また、排泄が自立できるように促すことも大切です

トイレまでの移動やトイレの中での立ち座り、ズボンの上げ下ろしなど、さまざまな動きをとる必要があるため、排泄が自立できれば多くの機能を改善できる可能性があるからです。

離床介助

離床とは、ベッドから起きて過ごすことです。

ショートステイを利用される方の中には、自力で起き上がれない方もおられます。

すると、寝たきりの方では褥瘡(とこずれ)や拘縮(関節がかたまる)ができる危険性があるのです。

離床介助は、これらのリスクを軽減できることに加え、起きて過ごすことで覚醒状態が向上して昼夜のリズム形成にもつながるなどのメリットがあります。

健康管理

健康管理は体温、血圧、脈拍、呼吸などのバイタルサインチェックや、薬を服用している方への内服管理などがあります。

病院・診療所や介護老人保健施設で提供されるショートステイサービスは医療型ショートステイといわれ、医師や看護師が常に配置されており、より医学的な管理に特化したサービス内容となっています。

レクリエーション

レクリエーションは施設によって特色があり、その内容はさまざまです。

以下では代表的なものを紹介します。

合唱やカラオケ

合唱やカラオケなど歌唱をとおした活動は、なじみのある曲や歌詞から昔のことを思い出したり、利用者さん同士共通の話題でコミュニケーションをとったりすることに役立ちます。

また、音楽療法としての側面もあり、脳の活性化によって認知症を予防する効果も見込まれます。

創作活動

絵画や書道など、個人での創作活動もレクリエーションの一環です。

できた作品は施設内に掲示したり、持ちかえったりすることもできます。

また、利用者さん数人でひとつの作品を作ることもあります。

季節にちなんだ貼り絵やカレンダーを作って施設内に掲示すれば、たくさんの方から品評してもらえるでしょう。

普段介助してくださるご家族へ向けて、プレゼント作りを企画する施設もあります。

体操

主に口腔体操や全身体操があります。

口腔体操は、食事前に行って咀嚼や嚥下機能を十分に発揮することが目的です。

全身体操は、覚醒の向上や心身機能の維持・向上を目的としたものです。

日によって担当する職員が替わり、それぞれの個性を発揮したユニークな体操もあります

風船バレー

風船バレーは手や体幹機能の維持・向上に働きかけたり、反射神経を養ったりする効果があります。

通常のボールで行うバレーは速さが要求されますが、風船バレーではゆっくりと動く風船を叩くため、介護が必要な方でも安心して楽しめる活動です

2チームに分かれてラリーの回数を競うと、盛り上がること間違いありません。

ボランティア団体の催し物

近隣のボランティア団体を呼んで、コンサートや劇などの催し物を開催することもあります。

普段はあまり見る機会のない催し物を目的に、施設を利用する方もおられます。

機能訓練やリハビリ

機能訓練やリハビリは、心身機能の維持や向上、日常生活に必要な動作の維持や獲得を目標に行われます。

機能訓練やリハビリを目当てにショートステイを利用する方も多くおられます

施設によっては理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職種が在籍しており、より専門的なリハビリを受けられるのが魅力です。

ショートステイで提供される機能訓練やリハビリについて詳しく知りたい方は、ショートステイのリハビリとは?利用者向けに概要を解説!の記事もご覧ください。

送迎

施設と自宅との間の送迎も行います。

送迎には料金がかかり、1割負担の方で片道あたり約180円負担することになりますが、ご家族が送迎できない家庭ではたいへん助かるサービス内容です。

注意点として、送迎は施設と自宅との間で行うのが原則とされています。

ショートステイの対象者

ここまでお伝えしたショートステイのサービス内容は、すべての方が受けられるわけではありません。

上記のサービスは、要介護認定を受けた方のみが対象となります。

すなわち要介護1~5、要支援1、2の方が対象です。

そのため、ショートステイの利用を検討している方は要介護認定を受けるための手続きをします。

お住まいの自治体にある介護保険関連の窓口へ問い合わせが必要です。

ショートステイを利用する際の注意点

ショートステイを安心して利用するために、事前に注意しておきたい点を解説します。

受けたいサービス内容と目的を明確にする

ショートステイで受けたいサービス内容は、利用者さんによって異なります。

  • 家族が急用で家を空けるため、その間施設で介護を受けたい
  • 短期間集中的にリハビリを受けたい
  • 家族に休息の時間を与えたい

上記のように「必要な介護を受ける」「機能や能力の維持・向上」「介助する側・される側双方のストレス軽減」などの目的が定まっていないと、施設と利用者さんのミスマッチにつながってしまいます。

そのため「〇〇なので、□□のサービスを使いたい」と言語化できるようにしておきましょう。

早めに予約する

ショートステイは、できれば早めの予約が大切です。

希望の日時で利用するためには、数週間~1ヶ月前くらいから予約しておかないと、部屋が埋まりやすいからです

そこそこ満足できる介護サービスを受けたいというのであれば、空いている施設をいくつか探してもよいでしょう。

しかし、特定のサービス内容に特化した施設を利用したいのであれば、人気もあり埋まってしまう可能性が高くなってしまいます。

そのため、利用したい予定が決まっていれば、早めに予約しておきましょう。

複数の施設をお試しで利用しておく

複数の施設をお試しで利用しておくと、使い分けができるためおすすめです

もし緊急でショートステイが必要になった場合、一方が予約で埋まっていて利用できなくとも、もう一方が利用できる可能性があります。

利用目的と受けたいサービス内容を明確にしたら、条件に合致する施設を担当のケアマネジャーに相談し、いくつかピックアップしてもらうとよいでしょう。

ショートステイのよくある質問

ショートステイでのサービス内容について、よくある質問をご紹介します。

認知症があっても利用できますか?

A:利用できます。

ショートステイ施設には介護の資格をもったプロが在籍していますので、安心してください。

グループホームという認知症の方のみが利用できる施設や、認知症専門棟が設けられている老人保健施設もあります

それぞれ、認知症の方を専門的にケアできる職員がそろっています。

認知症専門の施設でなくとも利用は可能ですが、認知症の症状や状態によっては受け入れがむずかしい場合があります。

そのため、事前に担当のケアマネジャーにも相談しておくとよいでしょう。

集団生活が苦手な人でも利用できますか?

A:利用可能です。

ショートステイでは個室を利用できます。

また、集団体操やレクリエーションを好まない方も中にはおられますので、利用者さんの状態に応じた個別での関わりや機能訓練も可能です。

食事の提供も状況に応じて個室対応できる場合がありますので、詳細は利用予定の施設や担当のケアマネジャーにご相談ください

排泄や入浴の介助は同性で行ってもらえますか?

A:同性による介助は介護の基本とされています。

しかし実際には人員配置や勤務調整によって同性介助が難しい場合もあります。

というのも介護の現場は人手不足であり、少ない職員数で介護している現状もあるからです。

したがって、必ず同性介助が受けられるとはかぎりません

利用中に体調が悪くなったら病院へ送迎してもらえますか?

A:施設から病院への送迎はサービス内容に含まれていません。

ショートステイで提供する送迎サービスの内容は、施設と利用者さんの自宅の送迎が基本です

もし体調が悪くなった場合は、施設からご家族にその旨をご連絡したうえで

  • 施設から自宅に送迎後、ご家族が病院へ連れていく
  • 施設にご家族が迎えに来て、病院へ連れていく

などの対応が必要です。

ショートステイは目的に応じて必要なサービス内容を受けられる

本記事ではショートステイのサービス内容について概要を解説しました。

認知症ケアやリハビリ、レクリエーションなどそれぞれの施設によって特色が異なりますので、目的と受けたいサービス内容を明確にし、最適な施設を選択してください。

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この記事を書いた人

すずや すずや 理学療法士/介護支援専門員/ライター

2008年 理学療法士免許取得。
老健で入所・通所・訪問リハビリに従事。
保有資格は介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級。
介護保険、地域包括ケアなどに興味関心あり。
介護未来マガジンでは、制度概要や資格に関する内容をわかりやすく執筆することを心がけている。

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