デイサービスに理学療法士を置くメリットとは?わかりやすく解説します
「デイサービスに理学療法士を配置するとどんなメリットがあるの?」
「そもそも理学療法士をデイサービスに配置する意味があるのだろうか?」
そのように考える経営者やデイサービス管理者の方も多いのではないでしょうか?デイサービスに理学療法士を配置することは、利用者・家族、デイサービス自体、そして施設運営に多くのメリットがあります。
この記事では、3つの視点からデイサービスに理学療法士を配置することによるメリットを解説していきます。
利用者・家族から見たデイサービスに理学療法士がいるメリット
利用者の身体機能維持向上
理学療法士は、利用者の身体機能の評価や訓練を行うことができます。
利用者の現在の身体状態を詳しく把握し、適切な運動プログラム作成し提供することで、筋力、柔軟性、バランスなどの身体機能を向上させることができます。
利用者のADL維持向上
理学療法士は、利用者の日常生活動作(ADL)に関する専門知識を持っています。
利用者の具体的なニーズや課題を把握し、入浴、着替え、食事などの基本的な動作のトレーニングやアドバイスを実施します。
利用者自身が自分でできることを増やすことで、さまざまな動作の自立度が向上し、生活の質も向上させることができます
家族(介護者)の負担軽減
理学療法士の存在は、デイサービスに通う利用者だけにプラスになるのでなく、その家族の介護負担軽減にも生かすことができます。
理学療法士は利用者家族が介助する際に苦労していることを聴取することで、その家族に対して適切な介助方法や家族の体を守るようなアドバイスをすることができます。
デイサービスから見たデイサービスに理学療法士がいるメリット
デイサービスの機能訓練の質の向上
理学療法士の専門知識と経験に基づいて、デイサービスで提供される機能訓練の質を向上させることができます。
利用者の個別のニーズに合わせたプログラムを提供し、効果的な機能回復を促進します。
これにより、利用者はより良い効果を得ることができ、デイサービスの評判を高めることができます。
機能訓練やリハビリについての職員教育が可能
デイサービスに理学療法士がいることで、他のデイサービスのスタッフ(介護職員など)に対して機能訓練やリハビリに関する教育を行うことができます。
利用者への運動プログラムの適切な提供方法や目的や意味について指導をすることができます。
歩行が不安定な利用者に対してどのような歩行介助を行うのが適切かという内容の指導をすることで、デイサービスの利用者の歩行時の転倒リスクを下げることも可能です。
また理学療法士は身体や自分の体を痛めない介助方法などの知識があるので、デイサービスの介護職員に対して自分の体の負担のない介助方法を伝えることもできます。
施設運営面から見たデイサービスに理学療法士がいるメリット
機能訓練やリハビリに強みがあるデイサービスとして認知される
デイサービスに理学療法士を配置することで、機能訓練やリハビリに強みがある施設として認知されやすくなります。通所介護事業所において機能訓練指導員を担当することができる職種(看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、鍼灸師)は複数あります。
しかし病院などの医療機関でのリハビリテーションを担っている理学療法士がデイサービスに配置されていることは、利用者・家族・ケアマネジャーから見ると、機能訓練やリハビリに強みがあると認識されやすいです。
特に病院から退院後の利用者・家族・そのケアマネジャーは専門的なケアができるデイサービスを選びたいと考えることが多いため、他のデイサービスとの競争力を高めることができます。
デイサービスの差別化に役立つ
前述したように理学療法士がデイサービスに配置されていることは、他のデイサービスとの差別化につながる要素となります。
平成28年に厚労省から発表された「リハビリテーションと機能訓練の機能分化とその在り方に関する調査研究」によると、通所介護事業所において、機能訓練指導員が有する資格は「看護職員」65.6%、「理学療法士」11.5%、「作業療法士」6.1%、「柔道整復師」が10.7%という結果が出ています。
通所介護事業所で理学療法士が配置されている割合が11.5%ですから、理学療法士を配置することだけでも一般的な通所介護事業所より機能訓練やリハビリに強いというポジションを取ることができます。
まとめ
今回の記事では、デイサービスに理学療法士を配置することによるメリットを解説しました。
デイサービスに理学療法士を配置することは、「利用者・家族」「デイサービス自体」「施設運営面」の3つの視点から見ても多くのメリットをもたらします。
それぞれのメリットを検討して今後のデイサービス運営に役立ててみてはいかがでしょうか。