男性が行きたくなるデイサービス2つの特徴と具体例を紹介

喜ぶ男性利用者と介護スタッフ

日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)

介コネフェスの詳細はこちら

多くの男性がデイサービスを利用することに抵抗を感じています。介護業界で働いたことがある方は「とある男性がデイサービスに行かなくて困っている」という話をよく聞くのではないでしょうか?

今回は、男性が行きたくなるデイサービスの特徴について解説し、具体的な対策や工夫についてご紹介します。ぜひ最後までお読みください。

目次

デイサービスに通う男性は少ない

多くのデイサービスで男性が少ない傾向があります。「令和3年度 介護給付費等実態統計」の結果によると、介護給付費受給者の30.8%が男性、69.2%が女性という結果でした。介護給付を受けている男女比から、男性の利用者は3割程度であることがわかります。

デイサービスは介護給付を受けている方が利用する施設なので、男性が少ないデイサービスが増えるのも当然でしょう。「デイサービスに行きたくない」と思っている男性も多く、家に引きこもってしまう方もいらっしゃいます。

参考)厚労省「令和3年度 介護給付費等実態統計の概況」

なぜ男性が行きたくなるデイサービスが少ないのか

男性利用者とスタッフ

デイサービスに行きたくない男性が多い理由として、男性が行きたくなるデイサービスが少ないことが挙げられます。多くのデイサービスがある中で、男性が行きたくなる施設が少ない理由を2つご紹介します。

女性スタッフが多いので、男性目線のサービスが苦手

デイサービスのスタッフは女性が多いので、男性の気持ちを理解したサービスを提供しづらい傾向があります。「令和3年度 介護労働実態調査」のデータによると、通所型施設スタッフの男女比は、男性21.4%、女性70.1%、無回答8.5%でした。

以上のデータから、スタッフ側も女性の比率が多いことがわかります。利用者もスタッフも女性が多いので、どうしても女性利用者が楽しめるサービス内容になりがちです。

参考)介護労働安定センター「介護労働実態調査」

男性は地域のコミュニティが狭い

多くの時間を仕事に費やしてきた男性が多いので、地域内でのコミュニティが狭い傾向があります。仕事では多くの方と関わってきた男性でも、「近所の方とほとんど喋ったことがない」という男性も多くいらっしゃいます。

近所のデイサービスに行っても知り合いが少ないので、デイサービスへ行くことに抵抗を感じる男性も多いようです。

男性が行きたくなるデイサービスの特徴

リハビリをする男性利用者

数多くのデイサービスの中には、男性から高い満足度を得ている施設もあります。そういったデイサービスには、とある共通の特徴があることがわかりました。男性が行きたくなるデイサービスにみられる2つの特徴について解説します。

デイサービスに行く目的が明確

男性の利用者さんは、目的のない交流が苦手です。例えば、施設の中で数人の男性が同じテーブルに座っていても、会話せずに静かに過ごしている場面をよく見かけます。積極的に交流できる男性もいますが、雑談が苦手な男性の方が多いでしょう。

男性が行きたくなるデイサービスでは、デイに行く目的が明確です。例えば、リハビリをして体を鍛える、デイの中で仕事を任される、といった目的を利用者さんに提案しています。

「仕事をするためにデイサービスに行っている」という感覚を持ってもらうことで、男性でも抵抗なくデイサービスに来ていただけます。

利用者同士の無理な交流を求めない

男性が行きたくなるデイサービスでは、利用者同士の交流は個人に任せています。交流したくない方は無理に交流しなくてもよいし、レクリエーションなども参加自由です。

例えば、ちょっとした休憩スペースに新聞などの読み物を置いておくことで、男性利用者さんが静かに過ごせる環境を作っている施設もあります。

男性が行きたくなるデイサービスにするための工夫

男性利用者と女性スタッフ

男性が行きたくなるデイサービスを作る際に、考えるべきポイントをご紹介します。主に3つのポイントに注意してサービス内容を考えるとよいでしょう。

行く理由を作る

男性が行きたくなる理由を作ると良いでしょう。例えば、男性の麻雀クラブを作る、何か施設の物品を作成する仕事をお願いする、トレーニング機器を設置しフィットネスジム感覚で利用してもらう、などの工夫が考えられます。

利用者さんが「この施設には毎週行くべきだ」と感じると、男性でも喜んでデイサービスに行きます。

暇な時間を無くす

デイサービスの中で、何もしない時間を無くす工夫をしましょう。テレビを見て過ごす時間や、何もせずテーブルに座っている時間など、目的のない時間が長くなると利用者さんはデイサービスに行く必要性を感じなくなります

例えば、休憩スペースに新聞を置く、暇な時間にできる仕事をお願いする、などの工夫をすると良いでしょう。

イベントへの参加は自由にする

多くの男性はレクリエーションを「ただの遊び」と捉えるため、参加するのに抵抗を感じます。特にカラオケや、集団で行うゲームなどに抵抗を感じる方が多くいらっしゃいます。

レクリエーションへの参加は自由に選べるようにして、別の空間で過ごせるように工夫するとよいでしょう。また、季節の行事などのイベントも参加自由にすることをおすすめします。

男性が行きたくなるデイサービスの注意点

男性が行きたくなるデイサービスを目指して、サービス内容を考える際には利用者全体のバランスを考えるようにしましょう。

介護給付費を受給している割合から考えても、デイサービスは女性が多い環境になりがちです。男性の満足度を上げようとした結果、女性の満足度が下がってしまう可能性もあります。逆に、利用者全体の意見を聞くと女性の意見が反映されやすいでしょう。

全体のバランスを考えつつ、男性が満足できる内容を考える必要があります。また、高齢者へのアピール方法にも注意が必要です。例えば、「男性専用のデイサービス」のように、性別での優位性をアピールすると行政から指導される可能性もあります。

男性が行きたくなるデイサービスの需要は高くなる

今後、高齢者の数は確実に増えます。男性の介護給付費受給者は少ないかもしれませんが、デイサービスへのニーズは男女比で変わりません。

高齢者の増加とともに、男性が行きたくなるデイサービスへのニーズは高まります。男性利用者の満足度を高める工夫をして、男性が行きたくなるデイサービスを目指しましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

野田晃司のアバター 野田晃司 作業療法士/ライター

2010年に作業療法士資格を取得し、2年間の病院勤務後、通所介護施設を運営する企業に入社。2つのデイサービス立ち上げを経験後、施設管理者として8年勤務。その間、高齢者デイサービス、放課後等デイサービスなどを展開し、約50名の従業員が勤務する会社の役員としてマネジメントにも関わる。
現在は、フリーのWebライターとして活動中。長年の経験と知識を活かし、多数のメディアで記事を執筆する。

目次