デイサービスの立ち上げ費用はどれくらいかかるのか?
「デイサービスの立ち上げ費用ってどれくらいかかるの?」
「デイサービスの立ち上げ費用を抑える方法をしりたい」
デイサービスの立ち上げ費用について詳しく知りたい方も多いでしょう。規模や設立する場所によって費用が大きく異なるため、デイサービスの立ち上げ費用は明確に示せません。しかし、全ての費用が予測できないのではなく、会社設立費用や不動産取得費用など、比較的予測しやすい費用もあります。今回は、デイサービス立ち上げに必要な費用の概要を紹介し、立ち上げ費用を抑えるコツも解説します。この記事を読むことで、コストを抑えつつデイサービスを開設する方法がわかります。ぜひ最後までお読みください。
デイサービス立ち上げ費用とは
デイサービスの立ち上げ費用は、さまざまな要因が影響するため明確な相場ありません。できる限り初期コストを抑えて、定員10名程度の小規模な施設を開業するのであれば、300万円程度で十分な場合もあります。一方で、利用定員が多い事業所や専門的な医療機器を導入する施設だと、5,000万円以上の資金が必要な場合もあるでしょう。しかし、どんな事業所でも開設に必要な最低限の費用があるため、まずは最低限必要な費用を把握しておくとよいでしょう。
デイサービス立ち上げ費用の内訳
デイサービスの立ち上げに必要な環境は各事業所ごとに異なりますが、どんな事業所を立ち上げる場合でも必要な費用があります。開業に必須とされる費用をピックアップして、各費用の相場をご紹介します。ちなみに、建物を建築すると費用の予測が立てにくいため、今回は賃貸物件で開業することを想定しています。
法人設立費用
デイサービスを開業するには必ず法人を設立する必要があるため、法人設立費用は必須です。法人の種類、法人を設立する地域、行政書士事務所の手数料によって変化しますが、一般的には20万円以上になる場合が多いでしょう。
不動産取得費
不動産の価格は地域差があるため、開設しようとする地域の相場を調べる必要があります。デイサービスの場合は、利用者1人あたり3㎡以上の建物面積が必要なので、施設の定員に応じた広さの建物を探しましょう。さらに、静養室やバリアフリートイレ、相談室、スタッフ休憩室の設置などが必要です。賃貸の場合だと不動産取得費に100万円以上必要な場合が多いでしょう。
工事費
賃貸の場合、内装の工事費用が必要となるでしょう。以前デーサービスをしていた居抜き物件なら工事不要な場合もありますが、そうでない場合は内装工事が必要となる可能性が高いでしょう。工事費用は、必要な工事内容、工務店ごとに費用が異なります。200万円以上必要なケースが多いが、場合によっては1000万円を超えることもあります。
運転資金
最低でも3ヶ月以上の運転資金は必要です。デイサービスは介護保険制度に基づいて運営しています。介護報酬の特性上、2ヶ月遅れで実績に応じた報酬が入金されるため、最低でも3ヶ月以上の運転資金は必要でしょう。また、開設当初から定員が埋まる可能性は低いので、多くの施設は半年以上の運転資金を確保しています。毎月必要なコストを予測して、事前に用意しておきましょう。
車両費
多くの施設で送迎車が必要です。送迎車両もさまざまな種類がありますが、リフト車やスロープ車は通常の車両よりも高額な傾向があります。中古車で対応する事業所もありますが、走行距離や器具の劣化具合に注意しなければいけません。粗悪な送迎車を使うと事故につながるおそれもあります。安全性を考えると、最低でも100万円以上の送迎車を選んだ方がよいでしょう。
デイサービス立ち上げ費用の見積もりかた
デイサービスの立ち上げ費用を見積もる際には、確定しやすい費用から検討します。確定している費用から順番に計算することで、費用の全体像がわかりやすいでしょう。
会社設立費用や不動産取得費などは、開業する場所さえ決まればある程度予測が立ちます。工事費用や車両費は、複数の事業者で相見積もりをとるとよいでしょう。
ある程度の事業規模が確定したら必要な人員と人件費を算出します。固定費と人件費が確定すると毎月必要な費用が予測できるので、毎月の費用をもとに当面の運転資金を算出しましょう。
デイサービス立ち上げ費用の調達方法
デイサービス立ち上げ費用は、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けて調達する方法が一般的です。しかし、ある程度の実績がないと金融機関から融資を受けられない場合もあります。そんな時は、日本政策金融公庫を利用してもよいでしょう。クラウドファンディングなども活用できますが、よほど発信力のある人でないと多額の資金調達は困難です。
デイサービス立ち上げ費用を抑える方法
会社設立費を抑える方法は、不要な費用をどれだけ抑えるかが重要です。また、立ち上げ費用を削減しすぎると利用者満足度が向上せず、その後の経営に悪い影響を与えることも考えておきましょう。
合同会社で設立する
株式会社よりも合同会社の方が少ない費用で設立できます。合同会社の場合、株式会社よりも登記費用が安く、行政書士などの手数料も安い傾向があります。ただし、合同会社は知名度が低い、株式での資金調達ができない、といったデメリットもあることを考えておきましょう。
相見積もりを取る
工事費用や不動産取得費などは必ず複数の業者へ相見積もりを取りましょう。工事費用は、中身が見えにくい費用です。1つの業者だけに見積もりをとっている状態だと、相場が分かりません。複数の業者から見積もりと取ると、費用の相場がわかり工事費用を安く抑えられます。
中古品を活用する
事業所内の設備として中古品を活用する方法もあります。介護用品レンタル業者などに知人がいる場合、車椅子や杖を中古価格で譲ってくれることもあります。中古でも問題なく営業できる物品は中古品を活用してもよいでしょう。
助成金を活用する
デイサービス開業にあたって使える助成金は、積極的に活用しましょう。例えば、特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用奨励金など、従業員を雇い入れる際に使える助成金があります。また、介護労働環境向上奨励金や介護福祉機器等助成など、働きやすい環境作りによって受け取れる助成金もあります。使えそうな助成金は事前に調査して、専門機関へ相談に行くとよいでしょう。
デイサービス立ち上げを成功させるには費用管理が必須
デイサービスの立ち上げには、多額の費用が必要です。多くの事業者は銀行などからの融資を受けて開設しますが、立ち上げ費用が大きすぎると返済負担が大きくなります。一方で、初期費用を削りすぎると、利用者の満足度が低下する可能性もあるでしょう。必要な費用は支払いつつ、できる限り不要な費用は削減する意識が大事です。デイサービスを立ち上げたらゴールではありません。その後の経営のことも考えて立ち上げ費用を計算するとよいでしょう。