デイサービスの仕事内容とは?給料や向いている人の特徴を解説
「デイサービスの仕事内容ってどんなことをするの?」
「デイサービスに向いている人を知りたい」
このようなことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。デイサービスは他の施設と異なる特徴を持っています。今回は、デイサービスの仕事内容を紹介しつつ、給料の相場やデイサービスで働くメリットについて解説します。この記事を読むことで、デイサービスの仕事内容や、向いている人の特徴がわかるでしょう。
デイサービスに求められる役割
デイサービスは、生活援助と機能訓練を行う施設です。厚労省の資料によるとデイサービスに関して以下のように示されています。
通所介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
引用)厚労省HP「どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)」
デイサービスは、在宅で生活している方が利用する施設です。要介護状態でありながらも在宅で生活している人の支援をすることのがデイサービスを役割といえるでしょう。
デイサービスの仕事内容
デイサービスの中にもさまざまなサービスを提供する施設があるため、詳細な仕事内容は事業所ごとに異なるでしょう。しかし、一般的にどの施設でも共通する仕事内容はあります。デイサービスに共通する仕事内容を紹介します。
体調確認・記録
デイサービスでの体調確認は、介護職員にとって非常に重要な役割です。利用者の健康状態や体調の変化を把握することで、緊急時に迅速かつ適切な対応ができます。また、定期的な体調確認により、利用者の疾患の進行や予防にも繋がるでしょう。
具体的には、利用者の食欲や排泄状況、体温や血圧、呼吸などを把握し、変化があればすぐに家族や主治医に報告する必要があります。また、利用者とのコミュニケーションを通じて、不安やストレスを感じている場合は、適切なアドバイスや支援を提供することも大切です。
介護職員が利用者の体調を管理していることで、利用者との信頼関係を築けます。利用者さんが安心してデイサービスを利用するためにも重要な業務といえるでしょう。
食事介助
利用者さんが食事を取る動作は、口に運ぶ、咀嚼、飲み込みなどの動作が含まれます。特に咀嚼、飲み込みに異常があると、誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
食事介助が必要な利用者に対して、介護職員は食事のスピードや、食べ物の選択などを調整することで、安全かつ快適な食事を提供できます。また、利用者とのコミュニケーションを通じて、その日の体調や食欲、食べられなかったものなどを把握することも大切です。食事介助をすることで、利用者の身体的健康だけでなく、心理的健康や生活の質の向上にも繋がるでしょう。
介護職員にとっても、利用者とのコミュニケーションを深めることで、より良いサポートを提供することができます。食事介助は、デイサービスにおいて欠かせない業務の一つであり、介護職員による丁寧なサポートが求められます。
入浴介助
入浴介助は、身体の清潔を保つことができ、皮膚疾患や褥瘡の予防につながります。特に在宅で入浴の様子を観察できない方は、デイサービスでの入浴を通して定期的に全身状態をチェックすることが重要です。また、入浴によって血行が促進され、筋肉や関節の疲労が解消される効果も期待できるでしょう。
入浴は精神的なリフレッシュ効果もあり、心身ともにリフレッシュできます。しかし、入浴介助は介護職員にとっても負担が大きく、介護職員自身の健康管理にも注意しましょう。
レクリエーション
デイサービスでのレクリエーションは、楽しみながら運動や認知機能のトレーニングを行う目的で実施されます。多くのデイサービス職員は、レクリエーションの企画と実行を求められるでしょう。
デイサービスでのレクリエーションは、心身機能の維持向上だけでなく、利用者同士の交流を促すことも目的としています。孤独感や認知症の進行を防ぐ効果も期待できるでしょう。ただし、レクリエーションを行う際には、利用者さんの能力や興味・趣味に合わせたプログラムを提供することが重要です。
職員は、利用者が楽しめるようなプログラムを企画・運営するとともに、安全面にも十分配慮する必要があります。また、利用者が心身ともに疲れている場合には、無理をさせないように十分な配慮が必要です。レクリエーションは、デイサービスにおいて重要な役割を果たす取り組みであり、職員が利用者一人ひとりに合ったプログラムを提供することで、より良いサービスを提供できるようになるでしょう。
機能訓練
機能訓練には、筋力トレーニング、認知症予防トレーニングなどがあり、それぞれ利用者の状態や目的に合わせたトレーニングが必要です。デイサービスのスタッフは、利用者一人ひとりの状態を把握した上で個別にプランを立て、運動をサポートする必要があります。
リハビリ専門職が常駐しているデイサービスであれば専門的な支援が可能ですが、リハビリ専門職がいない施設の場合は介護スタッフがプログラムを考える必要があります。安全面に十分配慮して、時には専門家へ相談しながらプログラムを考えるとよいでしょう。
デイサービスで働くメリット
デイサービスで働くメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 生活リズムが安定する
- コミュニケーションが取れる利用者さんが多い
- 仕事の幅が広い
入居施設や病院勤務の介護職員は夜勤を求められる場合が多いでしょう。夜勤が続くことで生活リズムが崩れ、体調に悪影響を及ぼす人もいます。デイサービスは日中の時間帯以外は営業していないので、夜勤をする必要がありません。
デイサービスを利用される利用者さんは、基本的に在宅で生活している方です。身の回りのことがある程度行える方も多いので、コミュニケーションがスムーズにできる利用者さんも多く利用されます。利用者さんとコミュニケーションを取りやすいと、機能訓練やレクリエーションの幅も広がるため楽しく仕事をしやすいでしょう。
デイサービスで働くデメリット
デイサービスで働くデメリットは、他の介護施設と比較して給与が低くなりがち、という点が挙げられるでしょう。
夜勤で働く介護職の時給は高めです。夜勤がなければ給料が少なくて困る、という介護職の方も多いでしょう。一方で、デイサービスでは夜勤がないので、入居施設や病院などと比較すると介護職の給料が低くなりがちです。
すべてのデイサービスの給料が低いわけではありません。高い給与を支払っているデイサービスもあるため、詳細な給与体系については各施設へ問い合わせて確認してみましょう。
デイサービスの仕事に向いている人の特徴
デイサービスで働く介護職員は、コミュニケーション能力の高さが求められます。デイサービスは、コミュニケーション能力の高い方が多く利用される傾向があります。コミュニケーション能力の高い利用者さんを相手にする仕事だからこそ、利用者さんとの交流を積極的に楽しめる人は向いているでしょう。
仕事の時間だけでなくプライベートの時間を大切にしたい方も、デイサービスでの仕事に向いています。特に、子育て中の方や自宅で介護をしている方は、デイサービスでの仕事がおすすめです。多くのデイサービスでは日曜を休業にしており、施設によっては祝日も休業しているところもあります。土日や祝日に安定して休める介護施設をお探しの方に最適の職場です。
デイサービスの仕事で役立つ資格
デイサービスの仕事で役立つ資格は、以下のとおりです。
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 介護職員初任者研修
介護福祉士は介護技術や福祉の知識を習得しており、デイサービスでの入浴介助や食事介助、レクリエーションなどの業務に役立ちます。社会福祉士は、社会福祉の専門家であり、利用者の生活全般をサポートするためのソーシャルワーカー資格です。
介護福祉士や社会福祉士は取得に時間がかかるため、未経験者がいきなり取得するのは難しいでしょう。未経験者が介護職として働く際には、介護職員初任者研修の受講をお勧めします。130時間の講義・演習を受講し、修了試験に合格することで資格を取得できます。
デイサービスで働く介護職の平均給与は?
デイサービスで働く介護職の給与は各施設によって異なるため、詳細な給与は施設に確認する必要があるでしょう。厚労省の介護従事者処遇状況調査によると、以下の表のようなデータが出されているので参考までにご覧ください。
施設名 | 平均基本給額 | 平均給与額 |
デイサービス | 185,260円 | 278,180円 |
算定している加算や手当の内容によって施設ごとの給与が異なるため、処遇改善加算を算定した常勤者の場合の平均値から算出しています。すべての施設がこの平均値に近い給与を支払ってくれるわけではありません。詳細な給与体系は、各施設に直接問い合わせましょう。
デイサービスの仕事内容は幅広い
デイサービスは自立度が高く、コミュニケーション能力の高い利用者さんが多く利用します。生活援助から機能訓練まで幅広い支援が求められる仕事です。幅広い業務内容が楽しめる方やプライベートの時間も充実させたい方はデイサービスで働きやすく感じるでしょう。少々給与が低くてもいいから安定した生活リズムで働きたい、という方はデイサービスで働くことをおすすめします。