【介護事業経営者向け】デイサービスで言語聴覚士を採用するためには
言語聴覚士の就職先として介護業界があります。
デイサービスに就職する言語聴覚士は少ないのが現状である一方、高齢者の増加から言語聴覚士を欲しているデイサービスは増えています。
今回は介護事業経営者へ向けて、デイサービスで言語聴覚士を採用するために知っておくべきことを解説していきます。
言語聴覚士がデイサービスで働く中での現状の課題
現在、デイサービスの中で働く言語聴覚士は少なく、求人情報自体も多くない状況です。デイサービスでは人手不足から、言語聴覚士が、嚥下障害へのサポート以外の介護業務などに追われることが多くなっています。利用者一人ひとりと向き合う時間を確保しにくいのが、言語聴覚士の求人が少なくなっている理由の1つです。
また、言語聴覚士は相手と一対一でコミュニケーションをとることが好きで資格を取得した人も多いため、利用者との対応が十分にできない環境に不満を感じる場合もあるようです。
デイサービスで言語聴覚士を採用するメリット
超高齢社会の中でデイサービスの利用者は増えていくものの、利用者に対して嚥下機能のサポートは介護スタッフだけでは難しい状況です。その中で言語聴覚士によって嚥下や会話力の確認や、また聴力や歯、口腔衛生、体力や呼吸状態などを観察してもらえることは、デイサービスの利用者にとっても大きなメリットとなります。
誤嚥や窒息などのリスクを言語聴覚士の活動によって防げるのは経営側としても大きなメリットです。また、デイサービスの利用者にとっても、話す・食べる能力が維持されることにより生活の質の向上につながります。
言語聴覚士の仕事
言語聴覚士は、言語障害・音声障害・嚥下障害の改善に向けて訓練を行う専門家です。脳卒中後などでうまく話せなくなった人や子どもの言葉の遅れに対処したり、咽頭がんなどで声帯を失い声が出しにくい人に発音の訓練を行います。
また、加齢に伴い上手に食物を飲み込めない場合のサポートも大切な仕事です。言語でコミュニケーションをとることは、老化防止に役立つと言われています。言語聴覚士の仕事は、高齢者の自立生活能力を維持する目的であるデイサービスに非常に合っていると言えるでしょう。
デイサービスで言語聴覚士の採用を増やす方法
言語聴覚士の就職先として2022年3月末時点で医療機関が67%に対して、福祉機関や老健・特養などの介護分野は合わせて30%にも満たないという現状があります。自立支援型やリハ特化型など、デイサービスごとの特色を持つことで言語聴覚士にとって働き甲斐のある職場になります。
言語聴覚士は、自身の専門的知識を活かしたいと考えているため、具体的に職場で求めている業務を示してデイサービスで働くイメージを作りやすくすることも効果的です。
デイサービスでは、看護師・理学療法士・作業療法士など医療専門職、ケースワーカー・介護福祉士などの介護職、作業療法士や理学療法士など様々な職種の人たちが働いています。
職場の雰囲気としてそれぞれの専門職が分業しつつも、お互いの意見を尊重し合える環境も重要です。また、初めてデイサービスで働く言語聴覚士も多いため、採用する側としては分かりやすい理念やキャリアアップのための教育体制などを整えることも大切です。
言語聴覚士はデイサービスに必要な人材
現在は介護業界で働く言語聴覚士は少数派です。しかし、言語聴覚士は言語障害・音声障害・嚥下障害の改善に向けて訓練を行う専門家なので、高齢者の生活能力維持を目的とするデイサービスでは、大きな役割を果たすことができます。
言語聴覚士を採用してデイサービスの差別化や利用者の満足度を高めてみてはいかがでしょうか。