デイサービス(通所介護)の開業の流れとは?流れや注意点を解説
デイサービス(通所介護)や介護施設などで働く中で起業を考える方も多いのではないでしょうか。
今回はデイサービス(通所介護)を開業するための流れや、開業における注意点を解説します。
デイサービス(通所介護)とは
デイサービス(通所介護)を開業するにあたって、知っておく必要があるのがデイサービスの定義や人員配置、設備などの基本情報です。
デイサービスは厚生労働省の定義によると「要介護状態となってもできる限り自立した生活が送れるように生活機能の維持や向上を目指し、日常生活の世話や機能訓練を通して社会的孤立感の解消と、心身の機能の維持、利用者の家族の身体・精神的負担を軽減するようにしなければならない」とされています。
続いて定められている人員配置や設備は下記の通りです。
・人員配置
職種 | 配置基準 |
生活相談員 | 事業所別にサービス提供時間にあわせて専従で1人以上(※生活相談員の勤務時間数にはサービス担当者会議や地域ケア会議なども含めても良い) |
看護職員 | 単位ごとに専従で1人以上※訪問看護ステーションとの連携もOK |
介護職員 | ・単位ごとにサービス提供時間にあわせて専従で下記の人数以上(常勤換算)1.利用者の数が15人まで 1人以上2.利用者の数が15人以上なら、1の数に利用者の数が1人増すごとに0.2を加えた人数以上・単位ごとに常時1人配置されること※上の2つの条件を満たすなら、当該事業所の他の単位における介護職員として従事可能 |
機能訓練指導員 | 1人以上 |
生活相談員または介護職員のうち1人以上は常勤 |
・設備配置
設備 | 配置 |
食堂 | 必要な面積を有するものとし、合計の面積が利用定員×3.0㎡以上 |
機能訓練室 | |
相談室 | 相談の内容が外に漏れないような配慮がされていること |
下記の資料参考に作成
開業にあたってデイサービス(通所介護)そのものの定義や配置基準を、しっかり理解しておく必要があるでしょう。
デイサービス(通所介護)を開業する流れと注意点
ここからはデイサービスを開業する流れを解説します。
基本的な流れは下記になります。
・事業計画書を作成
・デイサービス(通所介護)の基本理念やコンセプトを考える
・法人設立
・物件探しに伴い自治体との事前の協議や研修を行う
・必要な設備とその物品を購入
・新規指定申請(自治体へ申請)
・採用などの解説準備を終えて開設
それぞれ注意点も合わせて解説していきます。
事業計画書を作成
事業計画書は下記の理由で必要となってきます。
- 今後の長期的な経営の見通しを立てていくため
- 金融機関から融資を受けるため
- 都道府県と市町村の事業所指定を受けるため
特に3番目の事業所指定は、デイサービス(通所介護)を受けるために必ず必要です。デイサービス(通所介護)の開業に必要な多くの書類の中に事業計画書も含まれているので、必ず作成しましょう。
デイサービス(通所介護)の基本理念やコンセプトを考える
自分が設立したいデイサービス(通所介護)の基本理念やコンセプトを考えましょう。
今はデイサービス(通所介護)の形も入浴特化型やアロマテラピーの導入、機能訓練特化型など多様化してきています。
そもそもデイサービス(通所介護)自体が2021年時点で24,428事業所と、居宅サービス事業所の中では訪問介護の35,612事業所に次ぐ多さとなっており、世の中のニーズに合ったデイサービス(通所介護)であることが、さらに求められていくでしょう。
世の中のニーズを知りながら設立するデイサービス(通所介護)の基本理念やコンセプトを考えてみると利用者の確保もスムーズにいくのではないでしょうか。
法人設立
介護保険サービスの事業を行うにあたって、法人設立は必須です。すでに法人格を有している方は問題ないですが、法人を設立していない方は「株式会社」「NPO法人」「合同会社」など、種類は特に問われないため法人を設立しましょう。
物件探しに伴い自治体との事前の協議や研修を行う
物件探しを行うにあたって、該当の自治体と内装や設備など事前の協議が必要です。
自治体にとっては任意の場合もありますが、事前に相談した方が後から基準を満たしていなかったなどのトラブルを避けられるので、事前に相談しておくのがおすすめです。
必要な設備とその物品を購入
自治体と協議した上で必要な設備とその物品を購入し内装工事を行いましょう。あとから再度工事し直して費用がかかるということがないためにも、事前の自治体との協議は大切です。
新規指定申請(自治体へ申請)
該当の都道府県や市区町村、自治体へ、新規事業所としての指定申請を行います。
介護事業者として指定を受けるために必ず必要な申請です。この申請には多くの書類が必要ですが、自治体によって必要な書類は異なります。
該当の自治体へ必要な書類を予め問い合わせて、用意しておくと良いでしょう。
あとは人員の採用などの最終的な準備を終えて解説といった流れです。
デイサービス(通所介護)の開設の流れを理解してスムーズに準備を進めよう
デイサービスの(通所介護)の開設には、各自治体との連携や必要書類の用意など、自分だけでは進まないことも多いです。
そのため事前に開設までの全体の流れを把握した上で、先回りして書類を用意したり、自治体へ連絡したりするとスムーズに開設まで進めるでしょう。
デイサービス(通所介護)の開設を検討している方は、まずは開設にあたっての全体的な流れを理解しておきましょう。