
日程 : 2023年11月11日(土)
時間 : 13:30 〜18:20
場所 : ウィンクあいち (愛知県名古屋市)
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「個別機能訓練加算の算定要件が複雑でわからない」
「今後、個別機能訓練加算を算定したいと思っている」
このような施設管理者の方も多いのではないでしょうか。今後、高齢化社会が進むと、高齢者施設での機能訓練のニーズが高まります。個別機能訓練加算を算定する施設は増加していくでしょう。今回は、個別機能訓練加算の算定単位数や算定要件についてわかりやすく解説します。この記事を読むことでスムーズに個別機能訓練加算を算定できるようになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
個別機能訓練加算とは、通所介護や有料老人ホームなどの施設において機能訓練専門員が機能訓練を実施することで算定できる加算です。
利用者が持つ身体機能や日常生活動作の能力に合わせた訓練を実施して、心身機能の回復や維持を目指します。個別機能訓練加算を算定するには、必要な人員を配置し、計画書の作成、定期的な評価などを行う必要があります。

個別機能訓練加算を算定できる施設は以下のとおりです。個別機能訓練加算を算定できる施設は複数あり、施設の種類ごとに算定要件や単位数が異なります。まずは、自分の施設が算定できるか確認しましょう。
個別機能訓練加算を算定する施設ごとに算定可能な加算の種類と単位数が異なります。算定できる施設の種類と単位数は以下のとおりです。
通所介護と地域密着型通所介護の算定できる加算と算定単位数は以下の通りです。
| 加算の種類 | 算定単位数 |
|---|---|
| (Ⅰ)イ: | 56単位/日 |
| (Ⅰ)ロ: | 85単位/日 |
| (Ⅱ): | 20単位/月 |
短期入所生活介護(ショートステイ)における個別機能訓練加算に関しては以下の通りです。
| 加算の種類 | 算定単位数 |
|---|---|
| 個別機能訓練加算 | 56単位/日 |
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で算定可能な個別機能訓練加算に関しては以下の通りです。
| 加算の種類 | 算定単位数 |
|---|---|
| (Ⅰ) | 12単位/日 |
| (Ⅱ) | 20単位/月 |
認知症対応型通所介護の個別機能訓練加算に関する種類と単位数は以下の通りです。
| 加算の種類 | 算定単位数 |
|---|---|
| (Ⅰ) | 27単位/日 |
| (Ⅱ) | 20単位/月 |

全国老人福祉施設協議会が行った「加算算定状況等調査」の結果によると、各施設での個別機能訓練加算Ⅱ算定率は以下のとおりでした。
個別機能訓練加算Ⅱを算定するためには、LIFEシステムへの情報提供が必要です。LIFEへの入力作業が負担になっていることが、算定率が伸び悩む要因のひとつとなっているようです。
参考)公益社団法人全国老人福祉施設協議会「R4.4加算算定状況等調査結果の概要」
施設の種類ごとに個別機能訓練加算の算定条件が異なります。それぞれの個別機能訓練加算の算定基準を紹介します。
通所介護・地域密着型通所介護の算定要件は以下のとおりです。
| 加算の種類 | 条件 |
|---|---|
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ | 1名以上の専従機能訓練指導員配置。 利用者ごとの個別機能訓練計画作成・実施。 利用者の居宅訪問・計画進捗説明・記録・見直し。 定員超過利用・人員基準欠如なし。 |
| 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ | さらに1名以上の専従機能訓練指導員配置。 利用者ごとの個別機能訓練計画作成・実施。 利用者の居宅訪問・計画進捗説明・記録・見直し。 定員超過利用・人員基準欠如なし。 |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 個別機能訓練加算(Ⅰ)イまたはロ算定。 個別機能訓練計画情報を厚生労働省へ提出し、フィードバック活用。 |
短期入所生活介護の個別機能訓練加算の算定要件は以下のとおりです。
| 加算の種類 | 条件 |
|---|---|
| 個別機能訓練加算 | 個別機能訓練計画を作成。 利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の実施。 利用者の心身の状況に応じた機能訓練を提供。 利用者の居宅を訪問して個別機能訓練計画を作成。 3月に1回以上利用者の居宅を訪問。 |
介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護の個別機能訓練加算の算定要件は以下のとおりです。
| 加算の種類 | 条件 |
|---|---|
| 個別機能訓練加算(Ⅰ) | 常勤専従の機能訓練指導員を1名以上配置。 利用者が100名を超える場合は、常勤換算方法で利用者100以上の機能訓練指導員を配置。 機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員、その他の職種が共同して、利用者ごとに個別機能訓練計画を作成し、計画に基づき機能訓練を実施。 開始時及び3月に1回以上利用者に個別機能訓練計画の内容を説明し、記録している。 |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定していること。 利用者ごとの個別機能訓練計画書の内容等の情報を、LIFEを用いて厚生労働省に提出し、機能訓練の実施に当たり、提出した情報とフィードバック情報を活用していること。 |
認知症対応型通所介護の個別機能訓練加算の算定要件は以下のとおりです。
| 加算の種類 | 条件 |
|---|---|
| 個別機能訓練加算(Ⅰ) | サービス提供時間に1日120分以上専従の機能訓練指導員を配置し、利用者ごとの個別機能訓練計画を作成し実施していること。 利用者に計画内容を説明し記録していること。 |
| 個別機能訓練加算(Ⅱ) | 個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定し、利用者ごとの個別機能訓練計画書の情報をLIFEシステム上で提出し、フィードバック情報を活用していること。 |

算定条件を満たすことで個別機能訓練加算を算定できますが、以下の点には注意しましょう。
個別機能訓練加算を算定するためには、機能訓練指導員の配置が必須です。特定の資格を取得したスタッフしか機能訓練指導員に慣れないので注意しましょう。機能訓練指導員になれるスタッフは以下のとおりです。ただし、はり師・きゅう師は、6月以上の機能訓練指導の実務経験が必要なので注意しましょう。
今後、日本では高齢化社会がさらに進行します。地域の高齢者を支えるためにも、介護施設での自立支援が重要視されていくでしょう。そこで重要なポイントとなるのが個別機能訓練加算です。これまで算定してこなかった施設も積極的に算定していくことが求められています。この記事の情報を個別機能訓練加算の算定に役立てていただけると幸いです。
2010年に作業療法士資格を取得し、2年間の病院勤務後、通所介護施設を運営する企業に入社。2つのデイサービス立ち上げを経験後、施設管理者として8年勤務。その間、高齢者デイサービス、放課後等デイサービスなどを展開し、約50名の従業員が勤務する会社の役員としてマネジメントにも関わる。
現在は、フリーのWebライターとして活動中。長年の経験と知識を活かし、多数のメディアで記事を執筆する。