【 IKIGAI管理者・新美杏介の成長ストーリー vol.3 】「誰かの生きがいになる場所」を目指して。ーーデイサービスIKIGAI開所後10ヶ月の軌跡。
取材日:2022年9月6日
IKIGAI編集部
2021年11月愛知県西尾市にオープンしたデイサービス「IKIGAI」に、地域住民のみなさんとスタッフのことを考え走り続ける一人の管理者がいます。
本記事は、デイサービスIGIKAIの25歳若手管理者・新美杏介氏(理学療法士)の成長を記録する連載企画の第3回です。
第1回:【 IKIGAI管理者・新美杏介の成長ストーリー vol.1 】開所後2ヶ月、「激動」の日々を振り返るー。
第2回:【 IKIGAI管理者・新美杏介の成長ストーリー vol.2 】開所後4ヶ月、施設や僕の「在りたい姿」について考える)
IKIGAI開所から早くも10ヶ月。開所当時と比べると、少しずつ顔つきが凛々しくなってきた新美さんに、ここ数ヶ月での変化や今後の目標についてお話を伺いました。
◆新美杏介(にいみ・きょうすけ)プロフィール
1996年愛知県半田市出身。2019年藤田保健衛生大学卒業後、理学療法士として回復期病院に勤務。2021年9月より株式会社介護コネクティブに参画し、デイサービスIGIKAI(愛知県西尾市)の管理者に就任。
スタッフとともに「IKIGAI」を創る
―― 3月に実施した前回のインタビューから丸5ヶ月が経過しました。その間、事業所内で何か変わったことはありましたか?
振り返ると、人手不足や感染症の影響を大いに受けた5ヶ月でした。スタッフが足りないときは僕自身も現場に出る機会が増えたり、8月はコロナの影響で利用者さんのお休みが増えたりしました。9月に入り、ようやくどちらも落ち着いてきた状況です。
現場のスタッフには、僕が事業所のために掲げる「こうしていきたい」というビジョンが少しずつ浸透してきているのを感じます。一人ひとりの業務パフォーマンスが向上し、会社の方針を意識しながら日々の業務に取り組むスタッフが増えてきたのは嬉しい変化です。
――日々のスタッフとの関わり方で、工夫していることや意識していることはありますか?
スタッフとは、日頃から1対1で話せる時間を定期的に確保するようにしています。お昼時間に軽く話すなど、カジュアルで話しやすい環境で行うよう意識しています。
日頃の悩みや困っていること、挑戦したいことなどを聴取しつつ、「介護=お世話すること」といったイメージが払拭できるように、理学療法士としてリハビリテーションの視点や考え方も少しずつ共有しています。
先日、スタッフが「この会社に就職してよかった」と言ってくれた時はとても嬉しかったです。IKIGAIでは、子育て世代の女性も働きやすいような環境を整備しています。勤務調整など、可能な限りスタッフ一人ひとりの希望が叶えられるように心がけています。スタッフ全員が働きやすい職場づくりに、これからも力を入れていきたいと思います。
「自立支援」にこだわったサービス提供
――利用者さんとの関わりのなかで嬉しかったことや大変だったこと、印象に残っているエピソードなどがあれば教えて下さい。
IKIGAIに通うことが、利用者さんの「生きがい」となり自立を支援できているのだと感じられるエピソードがいくつかありました。
春に「IKIGAI農園」という畑を利用者さんと一緒に事業所の前に作りました。野菜を育てる過程や収穫体験をみんなで共有できたことで、たくさんの笑顔が生まれました。また、「新美さんに農作業を教えてあげないといけない」と言いながら畑の作り方を教えてくださる方もいらっしゃいました。
畑を作るのはそう簡単ではありませんでしたが、利用者さんの眩しい笑顔を見ることができてとても嬉しかったです。
その他、圧迫骨折のため入院となった利用者さんは、退院当日に通って来てくださいました。
IKIGAIに来ることが、日頃からとても楽しみだったようです。
最近では、女性はもちろん男性からも「ここはいいね」といってもらえる機会が増えてきました。農作業や運動を通して「自立支援」を促し、役割りや楽しみなどの「生きがい」に繋がる支援ができていると実感できます。
―― 現在、事業所で力を入れて取り組んでいることや、今後チャレンジしたいこと等あれば教えて下さい。
利用者さんの「自立を支援すること」にこだわり抜いていきたいと思っています。僕は、利用者さんが抱えている生活の中の困難が、何かひとつでも改善すれば、それは自立支援だと考えます。IKIGAIでの支援が、日々の暮らしの豊かさに繋がっていくことを目指します。
9月からは通所型サービスC(基準緩和型サービス)を開始しました。この事業は、運動器や口腔機能の低下等があり、一定期間機能訓練を受ける ことにより機能の維持・改善が見込まれる方を対象としたサービスです。
これからもデイサービスIKIGAIが、利用者さんやスタッフ、自分自身やスタッフの「生きがいの場所」になることを目指して、挑戦をつづけたいと思います。
管理者・新美さんの変化
―― 開所して10ヶ月、新見さんご自身の中で変化したことはありますか?
僕自身の変化としては、以前よりマネージャーとして決断力がついてきたように感じています。みんなが迷い困っいるような場面で、「こうしましょう!」と決断し、指示が出せるようになりました。
また、以前より人の話をしっかりと聞けるようになりました。スタッフ一人ひとりとしっかりと向き合い理解したい、という思いからコミュニケーションをより多くとるようになりました。
今の自分の状況を漢字一文字に例えると、「固」です。
変化や進化といった点では物足りなさもあるかもしれませんが、良い意味でぶれなくなったのは良いことだと感じています。最初の頃はちょっとしたことで悩んだり気持ちがぶれたりすることもありましたが、今はそれがなくなりました。業務もきっちり遂行できるようになってきたのではないかと思います。
もちろん日々管理者として動く中では辛いことや困難もありますが、自分自身を常に客観的に振り返りながら改善していけるよう努めています。
ーー 最近の休日は、どのように過ごされているのですか?
休みの日は、有料老人ホームやグループホームで理学療法士として働いています。その仕事がない休日は、ゴルフやハンドボールをして身体を動かしています。身体を動かすと、やはり気持ちがいいですよね。
日々のことを振り返る時間も確保できていますし、満喫でダラダラするような時間もしっかりと取れています。
―― 今後、さらに伸ばしていきたいスキルや目標、チャレンジしたいことはありますか?
マネジメントやリーダーシップのスキルはもっと伸ばしていきたいです。特に、リーダーシップがあると日々の業務がもっと楽になると思うので、力を入れたいです。
日頃から本を読んでインプットをする機会はたくさんあるのですが、人前で話すなどアウトプットする機会は少ない状況です。自分が見ている世界観やビジョン、考えを僕自身の言葉で多くの人にうまく伝えられるようにしていきたいです。
今度、名古屋の「介護の日」にスピーカーとして登壇することが決まりました。若手同士でディスカッションする時間も確保されているそうです。まずはその機会に、自分の言葉で話をすることに挑戦します。
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以上、デイサービスIGIKAIの25歳若手管理者・新美杏介氏に、開所後10ヶ月の振り返りとして様々なエピソードや今後の抱負について伺いました。
これからも、IKIGAI編集部では新美氏が管理者として成長していくストーリーを追っていきたいと思います。
次回の記事で、またお会いしましょう!